クライマックスシリーズ出場に向けて、阪神と熾烈な2位争いを続けている横浜DeNAベイスターズ。不調時も、ラミレス監督が我慢して起用し続けた1番・桑原将志、9番・倉本寿彦の2人が調子を取り戻したことで、筒香嘉智、ホセ・ロペス、宮崎敏郎の強力クリーンアップに繋ぐ体制が整ったことも7月躍進の大きな要因だろう。
シーズン前、ラミレス監督は筒香、梶谷、ロペス、倉本、桑原の5人をレギュラーに指名。7月21日の試合前には、宮崎にレギュラーを通達した。野球担当記者が話す。
「ラミレス監督の中で、レギュラーの定義はどんなに不調になってもスタメンから外さないこと。他の監督と比べて、レギュラーという言葉の持つ意味は大きい。だから、倉本と桑原がどんなに打てなくても我慢したし、宮崎が6月の段階で規定打席に到達して首位打者に踊り出てもレギュラーを明言しなかった。見極めるまでにかなりの時間を掛けるが、一度決めれば簡単には外さない」
ラミレス監督が当初レギュラーに指名した5人の中で、唯一期待を裏切っているのが梶谷だ。就任時からラミレス監督は「2番・梶谷」の構想をブチ上げ、打線の目玉としてきた。だが、他の打順と比べて制約のある2番では梶谷の持ち味が発揮できないと考え、自由に打たせようという配慮で、7月2日から7番で起用している。
それでも、打棒は上がってこない。7月30日まで、7番の打順で2割5分4厘と結果を残せていない。もちろんレギュラーは打つだけでなく、守備や走塁面も重視されるため、強肩、俊足の梶谷は外せない選手ではあるが、期待値が高いだけに2割5分台だと目立ってしまう。
「能力的にはトリプルスリーを達成できる力があるのに、この数字ではファンも納得できないでしょう。かつて3番を任されていた打順も、いまや7番。外野は筒香、桑原、梶谷とレギュラーで固まっているが、控え陣の奮起を促し、チーム力を底上げする意味でも、梶谷がいつまでもレギュラーを確保できるとは限らないのではないでしょうか」(同前)