もはや次世代ホープではない。“ポスト安倍”の一人、小泉進次郎氏(36)は、どのような自民党再生案を描くのか。この7年、同氏を追い続けてきたノンフィクションライター・常井健一氏の膨大な取材メモに、その手がかりは残されていた。
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自民党から民心が離れ始めている。焦り、威張り、浮かれ、依怙贔屓をし、驕っているというのが、国民の多くが思い浮かべる自民党議員のイメージとなっている。
「自民党に対する今の逆風は否定しようがありません。なんで逆風が吹いているのかと言えば、自民党自身が蒔いた種です。私たちは謙虚になって、いつでも野党になりうるという気持ちを決して忘れてはいけない」
歴史的惨敗に終わった東京都議選の最中、結果が出る前から安倍政権に公然と警鐘を鳴らしたのは、小泉進次郎衆院議員だ。36歳が東京・銀座の街頭で叫ぶ「正論」に対し、足を止める老若男女たちは頷いていた。
筆者は、自民党が野党だった2010年の参院選以降、500回近く小泉が登場する街頭演説を全国各地で眺めてきた。彼を目当てに集まる大観衆の反響は、党勢を計るのに絶好のバロメーターだと思っている。7月の都議選では小泉登場前の会場はいまだかつてないほど白けた雰囲気だった。
自民党は1955年の結党以来、何度目かの危機にある。先人たちは事あるたびに「自民党ではない自民党」を模索し、党勢を回復させてきた。そこで党内で数少ない“無傷”の小泉に党の再建を任せたらどうなるか。膨大な取材メモに書かれた発言録を元に「小泉進次郎の自民党再生計画」を勝手に練ってみた。