夏は体重が減りやすく、「痩せるチャンス」とダイエットにトライしがちだが、この「体重が減りやすい」というのが落とし穴だ。『いまさら聞けない健康の常識・非常識』(主婦の友社刊)の著者で、池谷医院院長の池谷敏郎医師がいう。
「夏場に1日にして体重が1~2kg落ちるのは、基本的に大量の発汗による『脱水症状』でしかない。高齢者にとって脳梗塞や心筋梗塞などの危険が高まっている状態なのです」
そんな中での「カロリー制限や糖質制限は高リスク」と指摘するのは、管理栄養士の望月理恵子氏だ。
「いずれのダイエット法も栄養バランスを崩し、体力を奪って免疫力を低下させる恐れがある。
夏場こそすぐにエネルギーになる糖質をなるべく摂るべきです。さらにエネルギー、糖質不足は夏バテや夏風邪を引き起こしやすくなります。夏風邪は長引く特徴があり、体力の衰えている高齢者の場合、肺炎につながりかねない」
そのため、夏は年間でも特に食生活に気を遣うべきシーズンといえる。
食欲が落ちるこの季節のランチの定番といえば「素麺」や「冷やし中華」だろう。ただし、同じ“定番”でも両者の間にははっきりと優劣がある。