毎回、視聴率10%以上を記録し、好調が続くドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)。脚本を務めるのは、数々のヒットドラマを手掛けてきた遊川和彦氏。遊川氏は、2012年のNHK連続テレビ小説『純と愛』をはじめとして数多くの問題作を手掛けてきたが、今作の脚本には今までの描き方と大きな変化が見られるという。コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんが解説する。
* * *
現代親子の関係性を描いた『過保護のカホコ』が話題を集めています。
同作の実質的な主役は2人。1人目はヒロイン・加穂子を演じる高畑充希さんで、極端な箱入り娘をユーモアたっぷりに演じています。
2人目は脚本の遊川和彦さん。これまで『幸福の王子』『女王の教室』『家政婦のミタ』『〇〇妻』(いずれも日本テレビ系)などの過激な筋書きで物議を醸してきましたが、実は昨年あたりから作風に変化が見られています。
昨夏に特別養子縁組をテーマにした『はじめまして、愛しています。』(テレビ朝日系)、今年1月に監督を兼任した映画『恋妻家宮本』は、ともに過激さのないハートフルな物語でした。
そして、親子の関係性を描く今作でも、かつて『純と愛』(NHK)で見せたような過激な筋書きは影を潜めています。
◆「自分が子どもっぽい」から怒る毒親