敗れざる者たち──昨日で夏の全代表のうち半分が甲子園を去った。今年も彼らが残していった言葉の中から、印象的なものを現地で取材を続けるフリーライター・神田憲行氏が紹介する(順不同)。
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◎横浜・増田珠外野手
プロ注目の打者も1安打で終わる。
「芯を食ったセンター前なので自信になります。甲子園の砂は学校に持ち帰って、ベンチに入れなかった3年生たちに分けます。彼らがいて僕らは甲子園に出られた。(ずっと笑顔)今年の夏は笑顔で野球をしようと決めていたので、最後まで貫き通そうかと。宿舎に帰ってから泣きたいと思います」
◎米子松蔭・津島隼人外野手
優勝候補の大阪桐蔭に敗れ、その印象を聞かれて。
「ファウルの打球すら速いです」
◎山梨学院・吉田洸二監督
前橋育英打線に12点を奪われて敗戦。
「あそこまでピッチャーが打たれるとは、横で見てて不思議でしょうがなかった。あとでビデオを見て分析します」
◎鳴門渦潮・鈴江竜飛投手
2年生投手ながら緊急リリーフ登板で好投。
「次は僕がエースになって、もう少しガッツリした体型にして甲子園に戻ってきます。ご飯1日3食では無理なので5食食べます」
◎早稲田佐賀・栗山侑子記録員
女子マネージャー、記録員としてベンチ入り。敗戦後も終始笑顔だった。
「ベンチ入りが決まったとき、自分はどうやったらチームの役に立てるんだろうと考えて、ピンチでも笑顔でいようと決めました。(選手たちが)どう思っているのかわからないので、取り敢えずって感じですけれど(笑)」
早稲田佐賀・百武将部長
「選手たちはみんな彼女に感謝しています。佐賀大会が始まる前、選手たちの発案で彼女にユニフォームをプレゼントしました。背番号が『0』というのがいい。(ベンチ入り最後の番号のあとである)『21』じゃない。彼女からこのチームは始まるんです」
栗山侑子記録員
「ユニフォームをもらったとき、すごく嬉しかったです! 家に帰ってさっそく着て、鏡の前でポーズ取りました」
◎大垣日大・内藤圭史外野手
1年生ながら背番号7、5番打者として3安打の活躍。
「阪口監督から『お前は1年から使う』と言われて嬉しかった。7をもらったときは『僕でいいのかな』と思いましたが、3年生から『お前が遠慮してプレーしてたら腹が立つから、思い切ってやれ』と言われて気が楽になりました。でも、あんだけ練習してても初戦で負けてしまう。僕は今日から練習を始めます」