この夏、「うんこ」関連のイベントが各地で大人気だ。なぜいま「うんこ」が引っ張りだこなのか。大人力コラムニストの石原壮一郎氏は「我々がうんこに学ぶことは多い」と語る。
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この夏、うんこが大人気です。あっちでもこっちでも、うんこが躍動しています。うんこに火をつけたのは、3月に発売されて驚きの大ベストセラーとなっている「うんこ漢字ドリル」(文響社)。ブームはどんどん拡大し、現在、東京・池袋の「ナンジャタウン」では本とのコラボイベント「あつまれ! うんこ漢字タウン」が8月31日まで開催中です。
さらに、山口県の徳山動物園の「きて!みて!さわって!?うんこ展」(8月31日まで)や、静岡県のエスパルスドリームプラザの「学べるうんこ展 BenZoo」(9月24日まで)などなど、各地でうんこが大活躍。あらためてそのパワーを見せつけています。
うんこが偉大な存在であることは、疑う余地はありません。うんこを見つめ、うんこの声に耳を傾けることで、深みや渋みが香り立つ大人に成長できるはず。うんこブームの今、うんこから多くの教えを吸い込んでしまいましょう。
うんこの教え・その1「細かいところで気を抜くと、運の尽きになる」など
先日、アメリカの南カリフォルニアで、まさに「運の尽き」という言葉がピッタリの事件がありました。不法侵入の被害に遭った家のトイレに流されないまま残っていたうんこが、犯人逮捕の決め手になったのです。うんこのDNA情報を国のデータベースで検索した結果、42歳の男性が臭いということになり、あえなく御用となりました。
容疑者がうんこをちゃんと流していたら、捜査はもう少し難航していたはず。私たちはこのマヌケなコソ泥から「何かコトに及ぶ場合は、細かいところで気を抜くと足元をすくわれる」という教訓を受け取ることができます。さらに、天網恢恢疎にして漏らさずというか、「お行儀の悪いことをするとバチが当たる」という教訓も授けてもらいました。
ちなみに、日本の泥棒の世界でも、かつては「空き巣に入った家にうんこを残しておくと捕まらない」というジンクスが信じられていたとか。被害者にとっては踏んだり蹴ったりですが、もし現代においてこの行為を実行したら、犯人逮捕につながる重要な証拠を残すことになってしまいます。そこから「過去の常識に縛られていると、思わぬ落とし穴が待っている」という教訓も得てしまいましょう。