藤井聡太・四段(15)の快進撃に沸く将棋界。ところが、その裏で将棋連盟とスポンサーに決裂寸前の異常事態が起きていた。
「今回の件は、将棋連盟が不手際や対応の過ちを重ね、ドワンゴさんに多大なご迷惑をかけてしまったということだと思っています」
そう語ったのは将棋連盟の理事を務める森下卓・九段(51)だ。「今回の件」とは、7月25日にホテル・ニューオータニで開催される予定だった「電王戦打ち上げ」が中止された一件を指す。
「電王戦」は将棋ソフトとプロ棋士が対戦する棋戦(非公式戦)で、主催はIT企業のドワンゴ。“人間とコンピュータのどちらが強いか”という問いに答えを出そうとした異色の棋戦だが、この2月に今年で終了と発表された。5月には“最後の電王戦”で佐藤天彦・名人(29)が将棋ソフト・ポナンザに敗れている。
終了に伴う「打ち上げ」には、将棋連盟会長の佐藤康光・九段(47)、佐藤名人、谷川浩司・九段らトップ棋士たちと、主催社側から角川歴彦氏(KADOKAWA会長)、川上量生氏(ドワンゴ会長)が出席し、ネットで生中継されると発表されていた。豪華メンバーが顔を揃える一大イベントとなるはずだった。
ところが本番直前の7月19日になって突然、公式サイトで〈諸般の事情により放送中止〉とだけ発表された。その原因が将棋連盟の「不手際」にあったというのだ。連盟関係者はこういう。