明治維新を経て、日本は大きく2つに分断された。“官軍”と“賊軍”。靖國神社では後者は祀られていないのが現状だ。亀井静香氏は、西郷隆盛や白虎隊など“賊軍”とされた人々を合祀すべきだと主張する。
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私は毎年靖國神社を参拝しているが、昔から合祀問題に関心があった。現在の徳川康久宮司は第十五代将軍・徳川慶喜を曽祖父にもつ徳川家の直系だ。3年ほど前に徳川宮司と会った時、私は「宮司、そこは座り心地が悪いでしょう」とこう話しかけた。
「あなたは徳川直系で徳川に殉じた白虎隊が祀られず、白虎隊をやっつけた長州が祀られているのだから」
すると徳川宮司は、「いやあそうなんです。一緒に合祀したいです」と思わず漏らした。
〈2016年6月、共同通信の取材に対して徳川宮司は、「私は賊軍、官軍ではなく、東軍、西軍と言っている。幕府軍や会津軍も日本のことを考えていた。ただ、価値観が違って戦争になってしまった。向こう(明治政府軍)が錦の御旗を掲げたことで、こちら(幕府軍)が賊軍になった」と述べた。この靖國の現役宮司による“靖國史観”を否定するような発言は波紋を呼んだ。〉
そこで私が靖國合祀への賛同を呼びかけたところ、中曽根康弘氏、森喜朗氏など総理経験者を含め、与野党問わず政治家や有識者が多く賛成してくれた。新聞に意見広告を出し、昨年10月には賛成者の署名を添えて、「西郷隆盛や白虎隊、新選組などの賊軍も合祀してほしい」と徳川宮司に申し入れた。賛同者は今現在、300人を超えている。