残暑が厳しいこの時期、日中はまだ熱々の「おでん」を食べようという気分にはならないが、コンビニ各社では早くも種(たね)や味に改良を加えた自慢のおでんを揃えている。さて、今年のコンビニおでん商戦は、どのチェーンが有力なのか。コンビニジャーナリストの吉岡秀子さんがレポートする。
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8月のお盆を過ぎると、急に活気づくのがコンビニのレジ横です。休憩気味だったおでん鍋に「新作だね」が続々と投入され、店員の「おでんいかがですかー」の声も大きくなってきます。
「朝晩の気温が下がり、体感温度の変化で温かい食べ物が恋しくなる8月下旬から9月初めが、販売の第1のピーク」といわれる“コンビニおでん”。今年のトレンドはどうなっているのでしょう。セブン-イレブン(以下セブン)、ファミリーマート(以下ファミマ)、ローソン、大手3社に取材しました。
コンビニおでんの今年のポイントを総括すると、(1)変わりだねよりも基本だねの強化(2)食べやすさの追求(3)つゆの進化の3点にまとめられるようです。
おでんの基本商品って、何だかわかりますか? それは「大根」「玉子」「白滝」。
おでん鉄板3兄弟といっても過言ではないほど圧倒的な人気ぶりで、おにぎり四天王「シャケ」「こんぶ」「梅」「辛子明太子」のように「ないと不満だ」という消費者が続出する売れ筋を、コンビニでは「基本商品」と呼ぶのです。のちに詳しくふれますが、基本商品のリニューアルは各社必ず手掛けていますので、要チェックです。
次に「食べやすさ」への配慮は、串ものやちょっと小ぶりのたねが増えた点からわかります。これは、女性やシニア客が増えたという理由が大きいでしょう。
そして、「つゆの進化」。これが最大のポイントです。近年、「糖質ダイエット」や「温活」ブームで食事やおやつ時に「スープを飲む」人が増えました。そこで、コンビニおでんのつゆに「スープがわりに飲み干せる」という新たなニーズが出てきたのです。
今年は各社とも、だしが利いたすっきりとした風味のつゆに。コンビニおでんは、いよいよ「食べても飲んでもOK」になってきたと感じます。
それでは各社のおでんのポイントを解説しましょう。