支持率が低下して、都議選では都民ファーストに惨敗、さらには10月22日投開票の3選挙区(青森4区、新潟5区、愛媛3区)で行われる衆院補選での全敗危機も囁かれる安倍政権。そんな絶体絶命の安倍晋三首相は起死回生を狙って「大博打」を仕掛けようとしている。小泉純一郎・元首相を首相特使として北朝鮮へ電撃訪問させるという情報が流れているのだ。
その仰天情報の“根拠”になったのが去る8月15日の行動だった。この日、安倍首相は午前中にトランプ米大統領と電話会談し、北朝鮮によるグアムへの弾道ミサイル発射予告への対応を協議した。その後、全国戦没者追悼式への出席を終えると山梨県鳴沢村へ静養に向かい、笹川陽平・日本財団理事長の別荘で小泉氏、森喜朗氏、麻生太郎氏の首相経験者3人や、日枝久・フジテレビ相談役らを交えて会食した。官邸中枢筋の話だ。
「首相経験者を集めたのはカムフラージュで、総理の目的は小泉さんを呼び出すことにあった。会食が終わった後、2人はサシで会談し、総理はミサイル問題の打開のために小泉さんに訪朝を打診したとみられている。総理や周辺はこの小泉特使計画に大きな期待を抱いており、事前に米国との調整も行なって、トランプ大統領も前向きだという。米国にまで根回しされると小泉さんも断われないはずだという読みのようだ」
1994年の北朝鮮核開発危機の際、時のクリントン大統領は北朝鮮空爆やむなしの情勢の中、ジミー・カーター元米大統領を特使として訪朝させ、土壇場の交渉で軍事衝突を回避した。安倍首相は小泉元首相にカーター氏の役割を求めたということになる。