NHK・Eテレ『おはなしのくに』で、昔話「きんたろう」を演じたのは渡辺直美(29)。クマとの対決シーンなど、一人芝居で見事に演じきって見せた。子供向けの番組ではあるが、ネット上では大人たちから「ハマり役」「すごく似合う!」など絶賛の声が上がった。9月4日の再放送に向けて注目度が高まる同番組の面白さについて、コラムニストのペリー荻野さんが解説する。
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ここ数年、テレビで見る「金太郎」といえば、ご存知、au三太郎シリーズの濱田岳と決まっていたのだが、先日、「これは」と思う金太郎が出現した。Eテレ『おはなしのくに』の渡辺直美だ。
直美は、おかっぱ頭のてっぺんをちょこんと結んだヘアスタイルに腹にはでっかく「金」と金文字を書いた腹掛け、もちろん大きなマサカリをかついで画面に登場。山道のセットを背景にのっしのっしと歩けば、誰もが一目で「金太郎!!」とわかるのだ。
すごいな…女子なのに…とここで驚いてはいけない。直美は、金太郎だけでなく、途中、登場する山の動物や金太郎の母、さらにはナレーションまでこなしてしまうのである。
足柄山の洞穴に母とふたりで暮らす金太郎は、まだハイハイのうちから大きな石臼を引っ張っていたという力自慢で、こどもながら山のでかいクマと相撲をとって打ち負かす。土俵で見えないクマを相手に声をあげ、一人芝居で演じてみせる直美。大熱演である。