芸能

全国を回る立川談春が嵐ファンに披露した「紺屋高尾」

抜群の人気を誇る談春の魅力は?

 音楽誌『BURRN!』編集長の広瀬和生氏は、1970年代からの落語ファンで、ほぼ毎日ナマの高座に接している。広瀬氏の連載「落語の目利き」より、今回は立川談春の逸話を紹介する。

 * * *
 立川談春といえば今や「全国ツアーの人」だ。10年前の僕は年間50席くらい談春の落語をナマで聴いたが、もう絶対に無理だ。今の談春は東京近辺でそんなに落語をやらない。

 今年の談春は1月から5月まで『居残り佐平次』をネタ出ししての全国ツアーを行なった。品川の遊郭で豪遊して勘定を踏み倒し、大金をせしめて去る佐平次という男を、立川談志は「なんだかワカラナイ奴」として描いたが、談春の演じる佐平次は、愛嬌のある反面ドスの利いたワルの顔を持つ巧妙な詐欺師。最大の特徴はその饒舌さで、若い衆を煙に巻く佐平次の描写が圧倒的に面白い。

 この場面を念入りに演じて時間が掛かるということもあってか、なんとこのツアーで談春はこの噺を、一文無しだとバレるまでの「上」、客にヨイショをして活躍する「下」に分けた。間に休憩を挟む二部構成で『居残り佐平次』を演じた落語家は談春だけだ。

 佐平次に限らず、談春落語の登場人物は全体に饒舌だが、これは談春自身の饒舌さを反映している。6月に全国8ヵ所を廻った「立川談春 映画『忍びの国』噺+らくご」は、そんな談春の面目躍如たる企画。嵐の大野智が主演した映画『忍びの国』(7月公開)に談春は百地三太夫役で出演したが、このツアーで談春は巨大プロジェクターで映像を見せつつ撮影秘話を1時間近く語り、休憩後、ネタ出しの人情噺『紺屋高尾』を演じた。

関連記事

トピックス

水原一平の父が大谷への本音を告白した
《独占スクープ》水原一平被告の父が告白!“大谷翔平への本音”と“息子の素顔”「1人でなんかできるわけないじゃん」
NEWSポストセブン
「オウルxyz」の元代表・牧野正幸容疑者(43)。少女に対しわいせつ行為を繰り返していたという(知人提供)
《少女へのわいせつで逮捕》トー横キッズ支援の「オウルxyz」牧野正幸容疑者(43)が見せていた“女子高生配信者推し”の素顔
NEWSポストセブン
“原宿系デコラファッション”に身を包むのは小学6年生の“いちか”さん(12)
《ド派手ファッションで小学校に通う12歳女児》メッシュにネイルとピアスでメイク2時間「先生から呼び出し」に父親が直談判した理由、『家、ついて行ってイイですか?』出演で騒然
NEWSポストセブン
田村瑠奈被告と、事件があったホテルの202号室
「ひどいな…」田村瑠奈被告と被害者男性との“初夜”後、母・浩子被告が抱いた「複雑な心中」【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
注目を集めている日曜劇場『御上先生』(TBS系)に主演する松坂桃李
視聴率好調の『御上先生』、ロケ地は「東大合格者数全国2位」の超進学校 松坂桃李はエキストラとして参加する生徒たちに勉強法や志望校について質問、役作りの参考に
女性セブン
ミス京大グランプリを獲得した一条美輝さん(Instagramより)
《“ミス京大”初開催で騒動》「(自作自演は)絶対にありません」初代グランプリを獲得した医学部医学科1年生の一条美輝さん(19)が語る“出場経緯”と京大の「公式回答」
NEWSポストセブン
コンビニを兼ねているアメリカのガソリンスタンド(「地獄海外難民」氏のXより)
《アメリカ移住のリアル》借金450万円でも家賃28万円の家から引っ越せない“世知辛い事情”隣町は安いが「車上荒らし、ドラッグ、強盗…」危険がいっぱい
NEWSポストセブン
『裸ダンボール企画』を敢行した韓国のインフルエンサーが問題に(YouTubeより)
《過激化する性コンテンツ》道ゆく人に「触って」と…“裸ダンボール”企画で韓国美女インフルエンサーに有罪判決「表面に出ていなくても妄想を膨らませる」
NEWSポストセブン
裁判が開かれた大阪地裁(時事通信フォト)
《大阪・女児10人性的暴行》玄関から押し入り「泣いたら殺す」柳本智也被告が抱えていた「ストレスと認知の歪み」 本人は「無期懲役すら軽いと思われて当然」と懺悔
NEWSポストセブン
悠仁さまご自身は、ひとり暮らしに前向きだという。(2024年9月、東京・千代田区、JMPA)
《悠仁さま、4月から筑波大学へ進学》“毎日の車通学はさすがに無理がある”前例なき警備への負担が問題視 完成間近の新学生寮で「六畳一間の共同生活」プランが浮上
女性セブン
浩子被告の主張は
《6分52秒の戦慄動画》「摘出した眼を手のひらに乗せたり、いじったり」田村瑠奈被告がスプーンで被害者男性の眼球を…明かされた損壊の詳細【ススキノ事件公判】
NEWSポストセブン
ビアンカ
《カニエ・ウェスト離婚報道》グラミー賞で超過激な“透けドレス”騒動から急展開「17歳年下妻は7億円受け取りに合意」
NEWSポストセブン