今夏の甲子園では、史上最多68本のアーチが乱れ飛び、今秋のドラフト会議はスラッガー候補が大豊作だ。中でも注目が集まるのが、通算HR記録を伸ばし続ける早稲田実業の清宮幸太郎と、甲子園で6本のホームランを放った広陵の中村奨成だが、他にも注目打者はズラリ。清宮・中村と並んで評価の高いのは履正社の左のスラッガー・安田尚憲だ。
「U-18代表合宿の練習で、大学生投手相手に木製バットで場外ホームランを放ち、スカウトを驚かせた。彼の兄はPL学園から実業団に進んだ選手で、母親もやり投げの国体選手。スカウトは母親を見るという格言もあり、アスリートとしての潜在能力は高校球児ナンバーワンとの評価もある」(スポーツ紙記者)
中村の広陵を破り花咲徳栄を全国制覇に導いた三番・西川愛也は、決勝でもタイムリーを2本放つなど、甲子園で評価を上げた。
「パワーというよりセンスで打つタイプ。まさに左打者版の内川聖一(ソフトバンク)のようで、広角に打ち分け打率を稼げるはず。甲子園では実力だけでなく甘いマスクも注目を集め、黄色い声援を浴びていた。スター候補としてファン獲得・集客につながると見る球団もある」(同前)
さらに、パンチ力のある明徳義塾(高知)の西浦颯大は強肩俊足で三拍子揃った外野手。秀岳館(熊本)の4番・廣部就平や、横浜(神奈川)の増田珠(U-18代表選出)も、いずれ劣らぬ巧打が光る。連覇の夢破れた作新学院(栃木)の鈴木萌斗も俊足の外野手で指名候補と目されている。福岡大会決勝で敗退した福岡大大濠の古賀悠斗(U-18代表選出)や熊本大会決勝で敗れた九州学院の村上宗隆も、中村と並ぶ高校トップ捕手として知られる。