「ぼくは仕事ができません! あなたの“理想の夫”にはほど遠い夫なんです」。こんな衝撃発言で始まった錦戸亮(32才)主演のドラマ『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系)。見た目良し、学歴良し、収入良しと、三拍子揃った理想の夫・小林司と結婚したはずの沙也加だったが、夫の真の姿は単なるダメリーマン。
ダメな主人公を演じる錦戸と仕事ができる上司・土方役を演じる佐藤隆太(37才)が、同ドラマの制作開始時に内容の相談を受けたという「男性学」の第一人者である田中俊之先生(大正大学心理社会学部准教授)を司会に迎え、夫の本音、妻への思いなど、「夫論」を語り合った。
かつて男性の人生は『卒業→就職→結婚→定年』という一本道を歩むものだった。しかし最近、この“普通”の人生を実現できず、「男」であることに生きづらさを感じる男性が増えている。このドラマの主人公、小林司もそのひとりだ。
田中:司が第一話から妻に「仕事ができない」と告げたのには驚きました!
錦戸:そうなんです。男としては仕事に関する弱みを見せたくないのが本音じゃないですか。あの発言は一種のカミングアウトですよね。
佐藤:ぼくは司が奥さんにちゃんと悩みを打ち明けているのは、夫婦として素敵な関係だと思います。
田中:男性は悩みを打ち明けることに抵抗を感じる傾向があります。中高年男性の自殺率は高く、女性の2~3倍。背景には「悩みを相談できる相手がいない」という男性が抱える問題があります。
錦戸:ぼく自身、弱みを見せるのは非常に苦手です。でも、それができるようになれば、男としてステップアップする気がする。相手に弱みを見せられるって、実はとても男らしいことだと思う。自分の弱さを認められる強さがあるんですよ。
佐藤:普段の会話から生まれる夫婦の信頼感は間違いなくあると思います。ぼくは些細なことを含め何でも妻に話すのですが、そうやっていつも他愛もない話をしているからこそ、悩みを抱えたときでもすぐに感じ取ってくれる。ただ、自分に余裕がなくなると、感情にまかせてキツい言い方をしてしまって反省したりもしますね。
錦戸:どんな話でも嫌な顔ひとつ見せず受け止める松岡茉優さん(22才)演じる沙也加はできた奥さんですよね。毎晩会社での話を聞いてあげて、朝になったら玄関先まで来て「いってらっしゃい」と笑顔でお見送り。あんなに支えてくれる嫁がおったら頑張らなと思いますよね。嫁にあんな顔をさせられるような男性でいたい。
田中:ぼくもできるだけ妻と話をします。子供がまだ1才なので、毎日18時には帰宅してお風呂に入れたり、一緒に遊んだりしています。あと朝食はぼくの担当。それでも妻の負担は多いと思いますし、でもぼくがもっと家庭に時間を割けるかといえば、仕事もやらなきゃいけないし…。
◆男も育休を取るべき
錦戸:そういう話を聞くと、やっぱり生まれ変わっても男がいいと思っちゃう(笑い)。