画像共有SNS・Instagram(インスタグラム)のユーザーが増え、インターネットで存在感を増すにつれ、投稿写真に対する独特のこだわりが「インスタ映え」と形容されるようになった。ときに「インスタ蠅」などと揶揄される投稿写真に対するこだわりは、日本の自虐文化をよい意味で打破するきっかけとなるのではないかと、ネットニュース編集者の中川淳一郎氏はみている。
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昨今「インスタ映え」が叩かれている。これは、写真共有SNSのインスタグラムに「映える」写真を投稿することである。ナイトプールで仲間とワイワイ、カラフルなアイスクリームを撮影してすぐ捨てる、焼き肉屋でドライアイスに囲まれた肉を高いカネ払って注文する──。
これに対して「本末転倒だ」や「食べ物を粗末にするな」等の批判が出るのに加え、多いのが「自己顕示欲が強い」「リア充アピールしやがって」というものである。
食べ物を粗末にする以外はどうでもいいが、私が期待しているのが「インスタ映え」がさらに流行ることにより、日本人特有の妙な自虐的な感覚が少しでも緩和されることである。
かつてアメリカに住んでいたことがあるのだが、現地に来たばかりの日本人のオッサンのへりくだり過ぎた態度はアメリカ人から困惑されまくっていた。日本語を直訳すればいいと思っているため、アメリカの感覚からするとおかしな言葉を使ってしまう。しかも、口から出てくるのは自虐のため、もはや宇宙人と喋っているようなものだったろう。