ミサイルの次は6度目の核実験まで…(写真:時事通信フォト)
8月29日の早朝、北朝鮮が発射したミサイルが、北海道の上空を通過し襟裳岬沖の太平洋に落下。その際、Jアラートは“警報”の役割を果たした。
これは、米軍の早期警戒衛星がキャッチしたミサイル発射情報などをもとに、総務省が各自治体や携帯電話会社に送るシステム。防災無線などによるアナウンスとともに、携帯電話(スマホ)に緊急速報メールが入ることで国民に情報が伝わる仕組みで、100億円以上の税金が投入されている。
今回は北海道や東北など12道県の計617市町村がJアラートの対象地域となった。だが、約40の自治体で防災無線や携帯メールが届かなかったという。だからこそ「税金の無駄遣い」といった批判も寄せられた。
さらに、北朝鮮がミサイルを発射したのは午前5時58分。6時2分にJアラートが発令され、6時12分に襟裳岬東約1180km沖の太平洋上に落下していた。北海道上空を通過したのは、おそらく6時5~6分頃。メールを見てから取れる行動は皆無に等しかったというわけだ。
問題だらけのJアラートだが、それでも本当にミサイルが落下して来るなら、何もせず座して死を待つわけにもいかない。Jアラートが鳴った後にわずかでもできることはないのだろうか。防災・危機管理アドバイザーの山村武彦氏が言う。