いじめの傾向は、今も昔も“悪口”が多いが、その舞台は教室からネットに変わり、露骨な表現から仲間内でしかわからない隠語になっている──。
「友達グループが固定されていない1学期は、いじめが深刻化する前に脱出できることも多いのですが、2学期に入ると、いじめリーダーに仲間が増え、いじめが定着化。クラス中を巻き込み、まるでショーのようにターゲットを攻撃し始めます」と注意を促すのは、『いじめと戦おう!』ホームページの管理人で、1000人近いいじめ相談を受けてきた玉聞伸啓さんだ。
最近のいじめは親や教師の目の届かないツイッターやLINEといったネット上で繰り広げられていることが多い。特に、犯人がツイッター上で、いじめられている子になりすまして他人の悪口を広め、悪口を言われた相手に間接的にいじめさせる手口が増えている。この方法だと、いじめが教室内で収まらず、先輩などを巻き込み、学校中に拡散する。いじめ問題に詳しいレイ法律事務所の高橋知典さんはこう話す。
「ツイッターやLINE上ではいじめをしていても、教室では最低限のコミュニケーションを取っているため、先生はおろか他の生徒も気づきにくいのが、最近のいじめの実情です」
犯人も、いじめの理由もわからない──こういったいじめは、国公立にかかわらずどの学校でも行われ、特に学力の高い学校ほど、主犯が誰かバレないように、手口がより巧妙になっているという。
◆子度は親にいじめを打ち明けない