芸能

竹内涼真、高橋一生、武井咲 夏ドラマの番狂わせを総括

一躍、時の人に

 夏ドラマも佳境。今季は俳優陣に注目が集まったクールと言えるのではないだろうか。ドラマウォッチを続ける作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 今クールのドラマもいよいよクライマックスへ。スタート前は予測できなかった「意外な盛り上がり」や「想定を超えた活躍」がありました。この夏に放送されたドラマにおける「ダークホース」=予想外の活躍をし番狂わせを演じた勝馬とは、誰でしょうか?

 まず筆頭は、この人以外にいない。朝ドラ『ひよっこ』と『過保護のカホコ』。2本のドラマ出演だけで、まさしく「国民的人気」をさらってしまった竹内涼真さん。いったい誰が、ここまでの走りっぷりを予想できたでしょうか?

 しかも『ひよっこ』では途中で姿を消した脇役にすぎなかった。それが「島谷ロス」を生み「麦野くん萌え」につながって……文句なしのぶっちぎりダークホースと言っていいでしょう。

 もう一人、すでに人気はあったけれど「想定外の姿」を画面いっぱいに表現し、視聴者に驚きと悲嘆を与えたダークホースといえば……? 大河ドラマ『おんな城主 直虎』で非業の死を遂げる小野政次になりきった高橋一生さん。

 とにかく凄まじかった。磔にされ、しかも愛する直虎自身に槍で突かれて死んでいくシーンは演技の枠をはみ出すような、鬼気迫る雰囲気。「不憫すぎてボロ泣き」「もう立ち直れない」と視聴者の悲痛な叫びが続出し、追悼CD「鶴のうた」(小野の幼名が鶴丸)も売り切れ、「大河ドラマの歴史に残る名場面」という評価が定着しました。

 となれば、今一つ注目度が低かった『直虎』にとって高橋さんは実にありがたいダークホースということに。

 さて、競馬では最も格の高いレースを「G1レース」と言いますが、その常連で期待され続け注目を集めても、なかなかレース本番で勝てない馬がいます。

 それに似て、「連ドラの主役」という非常に高いボジションをたびたび手にしつつ視聴率という壁に阻まれ続けてきた、あの人。期待が大きいだけに数字が出ないことで「低視聴率の女王」という不名誉な呼称までつけられてしまった、あの人。そしていよいよこの夏。持てる力を存分に発揮しぐんと頭角を現したのが『黒革の手帖』で銀座ママを演じる武井咲さんです。

「やっと武井咲の代表作が生まれた」という賞賛の声も多い。「着物姿があそこまで板につくとは」と驚きの声も。悪賢い男たちにズラリと取り囲まれても冷静沈着、肝の座った武井ママは美しいだけでなく、酸いも甘いも噛み分けた、ケレン味溢れる悪女。まさか武井さんがまだ23歳なんてとても信じられません。

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン