視聴率が低迷したドラマ『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)に主演した真木よう子(34)。ファッション誌業界を舞台に、さまざまな立場の女性がぶつかり合う姿が描かれた同作で、真木が演じたのは読者モデルの主婦だ。真木は自ら“当たり役”であると公言していたが、視聴者にとってもそうだったのだろうか。そこにこのドラマが苦戦した理由の一つがあると指摘するのは、コラムニストでテレビ解説者の木村隆志さんだ。木村さんが解説する。
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真木よう子さん主演ドラマ『セシルのもくろみ』が9月第1週・全9話で、早くも終了してしまいました。放送スタートからの視聴率低迷に加え、真木さんをめぐるネガティブな報道が相次ぐなど、まさに踏んだり蹴ったりの状態が影響しているのは間違いないでしょう。
それにしても、2014年の『日本アカデミー賞』で、大竹しのぶさん以来35年ぶりの主演&助演女優賞をダブル受賞したほどの真木さんが、これほどの苦境に立たされた理由は何なのでしょうか。
◆「宮地は私そのもの」と言い切っていたが
真木さんが演じた宮地奈央は、「抜けたところはあるが芯は強い」「他人にどう見られるかより自分がどう生きたいかが大事」というキャラクター。真木さんはそんな宮地を「私そのもの」と言い切っていました。
役柄と一体化した真木さんは自然体の演技を見せていたのですが、それこそが大きな誤算。自らは「私の当たり役」と思って伸び伸びと演じているのですが、そんな真木さんを見る視聴者は違和感を抱いていたのです。
SNSや口コミサイトには、「郊外に住む平凡な主婦に見えない」「うるさいし、ガサツすぎる」などの容赦ない言葉が続出。さらに「本物のモデルよりもやせすぎていて見ていられない」という見た目へのツッコミも多く、「真木よう子の当たり役」と感じた人はほとんどいなかったのです。
また、モデルや編集者が表面的な美しさを求めがちな中、自分の生き方を貫く宮地の言葉は常に正論。これは「『自分をよく見せたい』『他人から幸せと思われたい』と考えがちな現代の風潮に疑問を呈する」という制作意図があり、真木さん自身も「セリフを言っていてスッキリする」と語るなどノリノリで演じていました。しかし、真木さんと宮地のキャラクターがリンクしない視聴者に、これらのセリフは響かなかったのです。
真木さんにとって宮地は「共感できる女性」である上に「手応えを感じる当たり役」でしたが、視聴者にはどちらでもなかったのでしょう。
◆感情むき出しのツイートが痛手に