セ・リーグのクライマックスシリーズ進出を果たすのは、どのチームなのか。首位・広島、2位・阪神を追う、DeNAと巨人の3位争いが熾烈さを増してきた。
5月25日から6月8日まで13連敗を喫するなど絶不調だった巨人だが、7月は13勝8敗1分、8月は15勝10敗と、2か月で貯金10と盛り返す。DeNAは9月8日からの阪神3連戦で3連敗を喫し、最大7ゲームあった両チームの差はゼロとなった(9月10日時点)。野球担当記者が話す。
「もともと自力のあった巨人が『2番・セカンド』でマギーを起用する思い切った采配で、活路を見出した。一方のDeNAは昨年から続くリリーフの登板過多が失速の原因ではないでしょうか。7月、8月で先発が8回以上を投げ切ったのは1試合だけ。これでは、中継ぎに疲れが出てきて当然です。ラミレス監督は、先発はきっちり100球前後で降板させると決めているだけに、中継ぎ陣にしわ寄せが来てしまう。ここ数試合、継投も疑問視されています」
阪神3連戦では、いずれも終盤にリリーフ陣が捕まり、大事な星を落とした。1戦目は3対5とまだ2点を追い掛ける展開で、1軍に再昇格したばかりの三上朋也を投入したものの、3点を献上し、そこで試合の趨勢は決まった。
2戦目は延長12回まで1対1の均衡が続く。阪神は12回裏2死から糸井嘉男の2塁打などで二死1、2塁のチャンスを作る。DeNAは左腕の田中健二郎から右腕の三嶋一輝にスイッチ。三嶋がワイルドピッチでピンチを広げてしまうと、ベンチは右の中谷将大を敬遠し、左の鳥谷敬勝負を選択した。DeNAには左の砂田が残っていたが、三嶋が続投しサヨナラタイムリーを浴びる。
3戦目は1点を勝ち越した8回裏、4番手・エスコバーを前のイニングから回跨ぎで投げさせるも、無死1、2塁のピンチを迎える。そこでようやく勝ちパターンの一翼を担うパットンに代えたものの、結局、同点に追いつかれ、9回に三上がサヨナラ打を許した。この3連戦、2、3戦目の継投次第では1勝1敗1分で乗り切れたかもしれない、という声も少なくない。