往年の大スターが勢揃いとなったドラマ『やすらぎの郷』(毎週月~金曜昼12時半~、テレビ朝日系)がクライマックス間近。脚本を手掛けた倉本聰さんが作品への思いを語る。
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作品というのはいろいろな性格の人間がぶつかり合って、化学反応を起こしてドラマが起こる。長所だけがぶつかってもダメで、そこで化学反応を起こすのは「欠点」です。
だからぼくは欠点を大きく描くし、欠点がチャーミングな個性だとも思う。まりこ(加賀まりこ・73才)なんか見ていると、欠点だらけですよ(笑い)。何しろあいつは言葉が強いですよね。人の悪口も屈託なく言うしね。だからあんまり、あいつと話していると気持ちがよくないんですよ。あはは(笑い)。いい子なんですけどね。マヤ(加賀)が言いたいことをポンポン、ポンポン言うところは、大いにまりこ自身を取り入れちゃってます。
マヤが断捨離にハマっていたのは、まりこに断捨離をやらせたら、うるさくておもしろそうだなって(笑い)。
ルリちゃん(浅丘ルリ子・77才=白川冴子役)は、どんな時でも“浅丘ルリ子”。今回、ぼくが出演を頼んだ時も、「老けた役をやることはしょうがないけれども、私は常にお化粧はするわよ!」と、最初に条件を出してきましたね。そのエピソードもしっかり脚本に生かしています。
菊村栄役の兵吉(石坂浩二・76才の本名)はテレビ局がキャスティングしたのですが、愛称を栄ちゃんにして、冴子やマヤから“兵(へい)ちゃん”ならぬ“栄ちゃん”と呼ばせています。あれは確信犯です(笑い)。
ルリ子にもまりこにも、「発音はどうするの? 栄ちゃん(『栄』を高く上げて、『ちゃん』を下げる)だと、“兵ちゃん”とまぎらわしいんだけど?」と、相談があったんですよ。
◆俳優の私生活はどうしたって脳裡にちらつく