初日から満員御礼が続いている両国国技館で、空席だらけになっているのが、「支度部屋」である。東西に分かれた支度部屋は細長い形状で、コの字型に畳が敷かれた上がり座敷がある。正面奥に正横綱が陣取り、両脇に張出横綱と大関が座る。そこから少し間を空けて、左右に奥からほぼ番付順に力士たちが座っていく。ところが──。
◆支度部屋はガラガラ
秋場所は記録が残る昭和以降で初めて3横綱が休場。
「正面奥は横綱しか座れないが、東の支度部屋は正横綱・白鵬も張出横綱・稀勢の里もいない。しかも、部屋の右奥に陣取っていた大関・高安が3日目から負傷休場。6日目からはカド番大関の照ノ富士も休場し、東の支度部屋は横綱も大関も不在となっている」(相撲担当記者)
西の支度部屋も初日から張出横綱の鶴竜や、幕内ナンバー2の巨体(192キロ)の碧山(前頭2)の姿がなく、3日目からは小兵の大人気力士、宇良(前頭4)まで休場に追い込まれた。
「上位の力士が休場しても奥に詰めない力士がほとんどなので、奥のほうにぽっかりとスペースが空いている。連日満員札止めの国技館で、ここだけはガラガラですね」(同前)
◆「永谷園の呪いだ!」
ガチンコの宿命──人気力士のケガが相次ぐ状況に、そんな言葉が思い浮かぶ。空前の相撲ブームを支えてきたのが、どの相手にも必ず全力でぶつかるガチンコ力士たちだ。