プロ入り決断へ──。超高校球スラッガーの清宮幸太郎(早稲田実業)が22日にも進路表明の会見を開く予定だが、そもそも、高卒と大卒、どちらがプロ入りに有利なのか。『プロ野球なんでもランキング』の著者である広尾晃氏の協力を得てデータから判断する限りでは、プロでの成功確率、選手寿命やセカンドキャリアなど「大卒が有利」に見える。
1987~89年生まれの選手が28歳でも現役でいられたかを調べた「28歳生存率」は、打者は高卒60%、大卒75%。投手の場合は、大卒の85%が現役の一方、高卒は34%だ。大卒の場合、球団にスタッフとして残る人も多い。プロ入りが4年遅れることによる成績の差はほとんど見当たらず、待遇面では大卒が圧勝している。
ならば清宮もひとまずは大学進学を選択するべきだったのか──。ただしこんなデータも見逃せない。
清宮は将来のメジャー志望を口にしているが、過去の日本人メジャーリーガー54人のうち、投手では41人中28人、打者では13人中10人が高卒選手なのだ。
プロ入り後9年が経過すれば海外FA権を取得してのメジャー挑戦が可能になる。高卒後すぐにプロ入りしたほうが4年早く挑戦権を得られるということになる。所属球団との交渉次第では、ポスティングシステム行使の可能性も出てくるが、こちらも過去に行使したのは高卒組がほとんどだ。
明治大からヤクルトに入団した野球評論家・広澤克実氏がいう。