現在、店頭に並ぶ米は「特A」ランクのものが大半だ。日本穀物検定協会の「米の食味ランキング」は、「外観・香り・味・粘り・硬さ・総合評価」の6項目で全国の銘柄米を格付けする。最新の2016年産米では、全国で141ある銘柄のうち44銘柄が最高評価の「特A」となった。
多くが「甘み」「もちもち感」を特徴としている中で、独自路線を進める米もある。その代表格が『ふさおとめ』(千葉県)だ。
「粒が大きくて粘りが少なく、さっぱりしているので、腹にたまる感じがなく、サラッと食べられると年配者にも好評です」(五ツ星お米マイスターの齋藤敏之氏)
もう少しだけ粘り気が欲しい人は、「同じ千葉県産で『ふさおとめ』を改良してできた“兄弟米”『ふさこがね』を試してみてください」(同前)とのことだ。
醤油ベースの味付けの伝統的な日本食に合うと評価されているのは、『あきたこまち』(秋田県)だ。同じく“お米の博士号”と言われる五ツ星お米マイスターの資格を持つ西島豊造氏が解説する。
「同じ老舗ブランド米でも粘り気の強いコシヒカリと対照をなす、あっさりした舌ざわりや噛みごたえが特徴です。歯切れがよいので、醤油のしょっぱさを中和してくれます。同じように『風さやか』(長野県)も余分な粘りやくどさがないので、和食に合います」
さらに西島氏は近年人気の『ななつぼし』(北海道)を挙げる。