国内

キラキラ生活を求めてシェアハウスに住んでみたら大撃沈

シェアハウスでキラキラ生活を夢見たものの…(写真/アフロ)

 早朝6時、起き抜けに洗面台で顔を洗っていると、後ろから40代後半の女性が足音を立てずに忍び寄ってきた。無言でタオルを手に取ると、そのまま浴室に。リビングでは20代前半の女性が『めざましテレビ』(フジテレビ系)を見ながら朝食のポテトサラダを頬張っている。広い空間にテレビの音だけがこだまする。

 ひとつ屋根の下に暮らす彼女たちは、全員他人だ。ここは東京某所のシェアハウス。新築の2階建てで女性4人、男性2人が共同生活を送っている。

 1階にある約20畳の共有スペースにはリビングとオープンキッチンがある。ソファ、テーブル、テレビ、電子レンジなどはすべて共用で、風呂とトイレは男女別々ではあるがやはり共用だ。

 リビングは清潔で広々としているが、“同居人”たちは長くくつろぐでもなく、キッチンでサッと料理を作り終えると、そそくさと4畳ほどの自分の部屋に戻って行く。『テラスハウス』(フジテレビ系)のような若者が和気藹々とした雰囲気は、ここにはない──。

 2012年に放送が始まった『テラスハウス』などの影響もあり、定着したように思えるシェアハウス。最近では若者だけでなく、30代~40代の女性の入居希望も多くなっているという。

 敷金礼金がないシェアハウスは、単純にお金がかからないことだけでなく、様々な世代の住人たちとコミュニケーションをとる機会があるということで、いくつものメリットがあるとされている。

 ならばその「福」を分けてもらおうと、本誌・女性セブンの40代女性記者は都内某所のシェアハウスに“潜入”した。しかし、冒頭に紹介したのがその住居だ。2週間の滞在で見えてきたのは、他人と暮らす女性たちを包み込む「光」と「陰」だった。

◆ほとんど姿を見せない40代後半女性

 憧れのシェアハウスに入居すべく事務手続きを進めた記者。だが、内見を終え、即日入居できると聞いていたのに一向に保証会社の許可が下りない。

「フリーランスは審査が下りづらい」「生活保護の方が審査が通りやすい」などさまざまな噂を耳にして疑心暗鬼になるも、予定の3日後にようやく許可が下りた。遅れた理由は、書類に記した名前のふりがなを不動産会社の担当者が間違えていたせいだった。

 散々の船出だったが気を取り直して、いざ入居。選んだ物件は都内の閑静な住宅地にあり、一見すると普通のコーポのような新築の一戸建てだ。玄関には天井まで続く巨大な靴箱があり、同居人の靴が置いてある。靴棚に女性用の靴がズラリと並ぶが、すべてスニーカーかビーチサンダルで、ヒールのある靴は1つもない。

 玄関から室内に入ると20畳の共有スペースが広がる。ここにはテレビやソファがあり、キッチンには炊飯器、ケトル、調味料など一式が揃う。洗濯機、乾燥機、男女別の風呂に加えて各階に2台ずつの洗面台を完備しており、身一つで住むにも申し分ない。これで家賃は約5万円。格安物件といえるだろう。

 管理会社によると、現在の住人は女性4人(20代2人、30代と40代)、男性2人(20代)。入居当日の夜8時、記者が1階の共有リビングに下りて行くと、40代なかばの女性がワンピース姿でテレビを見ていた。

関連記事

トピックス

田村瑠奈被告(右)と父の修被告
「ハイターで指紋は消せる?」田村瑠奈被告(30)の父が公判で語った「漂白剤の使い道」【ススキノ首切断事件裁判】
週刊ポスト
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
暴力団幹部たちが熱心に取り組む若見えの工夫 ネイルサロンに通い、にんにく注射も 「プラセンタ注射はみんな打ってる」
NEWSポストセブン
10月には10年ぶりとなるオリジナルアルバム『Precious Days』をリリースした竹内まりや
《結婚42周年》竹内まりや、夫・山下達郎とのあまりにも深い絆 「結婚は今世で12回目」夫婦の結びつきは“魂レベル”
女性セブン
騒動の発端となっているイギリス人女性(SNSより)
「父親と息子の両方と…」「タダで行為できます」で世界を騒がすイギリス人女性(25)の生い立ち 過激配信をサポートする元夫の存在
NEWSポストセブン
宇宙飛行士で京都大学大学院総合生存学館(思修館)特定教授の土井隆雄氏
《アポロ11号月面着陸から55年》宇宙飛行士・土井隆雄さんが語る、人類が再び月を目指す意義 「地球の外に活動領域を広げていくことは、人類の進歩にとって必然」
週刊ポスト
九州場所
九州場所「溜席の着物美人」の次は「浴衣地ワンピース女性」が続々 「四股名の入った服は応援タオル代わりになる」と桟敷で他にも2人が着用していた
NEWSポストセブン
初のフレンチコースの販売を開始した「ガスト」
《ガスト初のフレンチコースを販売》匿名の現役スタッフが明かした現場の混乱「やることは増えたが、時給は変わらず…」「土日の混雑が心配」
NEWSポストセブン
希代の名優として親しまれた西田敏行さん
《故郷・福島に埋葬してほしい》西田敏行さん、体に埋め込んでいた金属だらけだった遺骨 満身創痍でも堅忍して追求し続けた俳優業
女性セブン
佐々木朗希のメジャーでの活躍は待ち遠しいが……(時事通信フォト)
【ロッテファンの怒りに球団が回答】佐々木朗希のポスティング発表翌日の“自動課金”物議を醸す「ファンクラブ継続更新締め切り」騒動にどう答えるか
NEWSポストセブン
越前谷真将(まさよし)容疑者(49)
《“顔面ヘビタトゥー男”がコンビニ強盗》「割と優しい」「穏やかな人」近隣住民が明かした容疑者の素顔、朝の挨拶は「おあようございあす」
NEWSポストセブン
歌舞伎俳優の中村芝翫と嫁の三田寛子(右写真/産経新聞社)
《中村芝翫が約900日ぶりに自宅に戻る》三田寛子、“夫の愛人”とのバトルに勝利 芝翫は“未練たらたら”でも松竹の激怒が決定打に
女性セブン
天皇陛下にとって百合子さまは大叔母にあたる(2024年11月、東京・港区。撮影/JMPA)
三笠宮妃百合子さまのご逝去に心を痛められ…天皇皇后両陛下と愛子さまが三笠宮邸を弔問
女性セブン