投資情報会社・フィスコ(担当・小瀬正毅氏)が9月25日~9月29日のドル・円相場の見通しを解説する。
* * *
今週のドル・円はやや底堅い動きとなる見込み。米連邦準備制度理事会(FRB)は19-20日に開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で現行の金融政策を維持した。一方、10月にバランスシートの縮小を開始すること決定し、金利正常化の方針を堅持した。年内追加利上げの可能性も高まっていることから、ドル買い基調が続きそうだ。
25日にも発表されるトランプ政権の税制改正の内容には、具体的な法人税率や企業の利益控除などが盛り込まれる見通し。法人減税について共和党内では困難との見方もあるが、税制改正にメドがつけば株高を通じてドル買いが強まりそうだ。
経済指標では9月消費者信頼感指数や4-6月期国内総生産(GDP)確定値が注目されそうだ。FRBの利上げ継続方針を後押しする内容だった場合、ドルは一段高となろう。さらに、大型ハリケーンの被害による経済への影響は大きくないとの見方が増えていることや、米長期金利の上昇はドルを押し上げる要因になりそうだ。日本銀行が現行の金融緩和策の維持を決定したことはドル買い・円売り材料になる。
ただし、北朝鮮は米国に対し、経済制裁などをめぐり反発を強めている。弾道ミサイル再発射や水爆実験を強行するとの見方も出ている。東アジア情勢の不安定化に対する警戒感は再び高まっていることから、リスク選好的な円売りが大きく広がる可能性は低いとみられる。
【米CB9月消費者信頼感指数】(26日発表予定)
26日発表の米CB9月消費者信頼感指数は119.5と、8月の122.9を下回る公算。ただ、2001年以来の高水準は維持される見通しで、米経済の堅調さが示されれば金利正常化を後押しする材料としてドルを押し上げそうだ。
【米4-6月期国内総生産(GDP)確報値】(28日発表予定)
28日発表の4-6月期GDP確定値は、回復基調の持続が期待される。4-6月期速報値の前期比年率+2.6%は改定値で+3.0%に上方修正された。確報値が改定値を上回る内容だった場合、成長持続を好感したドル買い材料になりそうだ。
・9月25日-29日に発表される主要経済指標の見通しについては以下の通り。