国内

上からの「働き方改革」は経営に対する冒涜である

「働き方改革は愚策」と指摘する大前氏

 安倍晋三首相は、様々な経済政策をアピールしてきた。そのうちのひとつに「働き方改革」がある。新刊『武器としての経済学』を上梓したばかりの経営コンサルタントの大前研一氏によると、その「働き方改革」は現代における“働く”という意味をまったく理解していない政策だという。以下、大前氏が解説する。

 * * *
 いっそやめてしまえばよいではないか──。政局がらみで先送りされそうな「働き方改革関連法案」のことである。

 安倍政権の目玉政策を推進する同法案は、高収入の一部専門職を労働時間規制から外す「高度プロフェッショナル制度(高プロ)」の導入や裁量労働制の対象拡大、残業時間の上限規制などを一つに束ねたもので、政府は2019年4月の施行を目指すとされている。

 これに対し、連合は「高プロに年間104日以上の休日取得を義務化する」などの修正内容を盛り込むことでいったん同法案を容認する姿勢を示しながら、傘下の労働組合が強く反対したため撤回している。

 だが、すでに本連載で何度も指摘しているように、グローバル企業の経営や世界標準の働き方を知らない政治家や役人に「働き方改革」などできるはずがない。それは、政府案に的外れな反応を示す経団連や連合の幹部たちも同様だ。

 そもそも仕事にはブルーカラーとホワイトカラーがあるが、日本企業の場合はブルーカラーの比率が大幅に低くなっている。作業の自動化やロボット化が進んだ上、今や多くのメーカーは外から買ったり外注したりした部品を組み立てているだけだからだ。

関連記事

トピックス

大阪・関西万博で天皇皇后両陛下を出迎えた女優の藤原紀香(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
《天皇皇后両陛下を出迎え》藤原紀香、万博での白ワイドパンツ&着物スタイルで見せた「梨園の妻」としての凜とした姿 
NEWSポストセブン
石川県の被災地で「沈金」をご体験された佳子さま(2025年4月、石川県・輪島市。撮影/JMPA)
《インナーの胸元にはフリルで”甘さ”も》佳子さま、色味を抑えたシックなパンツスーツで石川県の被災地で「沈金」をご体験 
NEWSポストセブン
何が彼女を変えてしまったのか(Getty Images)
【広末涼子の歯車を狂わせた“芸能界の欲”】心身ともに疲弊した早大進学騒動、本来の自分ではなかった優等生イメージ、26年連れ添った事務所との別れ…広末ひとりの問題だったのか
週刊ポスト
2023年1月に放送スタートした「ぽかぽか」(オフィシャルサイトより)
フジテレビ『ぽかぽか』人気アイドルの大阪万博ライブが「開催中止」 番組で毎日特集していたのに…“まさか”の事態に現場はショック
NEWSポストセブン
隣の新入生とお話しされる場面も(時事通信フォト)
《悠仁さま入学の直前》筑波大学長が日本とブラジルの友好増進を図る宮中晩餐会に招待されていた 「秋篠宮夫妻との会話はあったのか?」の問いに大学側が否定した事情
週刊ポスト
新調した桜色のスーツをお召しになる雅子さま(2025年4月、大阪府・大阪市。撮影/JMPA)
雅子さま、万博開会式に桜色のスーツでご出席 硫黄島日帰り訪問直後の超過密日程でもにこやかな表情、お召し物はこの日に合わせて新調 
女性セブン
被害者の手柄さんの中学時代の卒業アルバム、
「『犯罪に関わっているかもしれない』と警察から電話が…」谷内寛幸容疑者(24)が起こしていた過去の“警察沙汰トラブル”【さいたま市・15歳女子高校生刺殺事件】
NEWSポストセブン
豊昇龍(撮影/JMPA)
師匠・立浪親方が語る横綱・豊昇龍「タトゥー男とどんちゃん騒ぎ」報道の真相 「相手が反社でないことは確認済み」「親しい後援者との二次会で感謝の気持ち示したのだろう」
NEWSポストセブン
「日本国際賞」の授賞式に出席された天皇皇后両陛下 (2025年4月、撮影/JMPA)
《精力的なご公務が続く》皇后雅子さまが見せられた晴れやかな笑顔 お気に入りカラーのブルーのドレスで華やかに
NEWSポストセブン
大阪・関西万博が開幕し、来場者でにぎわう会場
《大阪・関西万博“炎上スポット”のリアル》大屋根リング、大行列、未完成パビリオン…来場者が明かした賛&否 3850円えきそばには「写真と違う」と不満も
NEWSポストセブン
真美子さんと大谷(AP/アフロ、日刊スポーツ/アフロ)
《大谷翔平が見せる妻への気遣い》妊娠中の真美子さんが「ロングスカート」「ゆったりパンツ」を封印して取り入れた“新ファッション”
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 高市早苗が激白「私ならトランプと……」ほか
週刊ポスト