NHK大河ドラマ『おんな城主 直虎』に、井伊直政こと虎松役で出演している菅田将暉(24)。後半のキーマンを演じる菅田は時代劇初挑戦だが、その演技力には光るものがある。時代劇研究家でコラムニストのペリー荻野さんが、新旧の「若君」について紹介しながら“菅田虎松”の魅力について解説する。
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そんなわけで、いよいよ井伊家の跡取り、虎松(菅田将暉)の活躍が始まった『おんな城主 直虎』。“菅田虎松”は、登場2回目でいきなりやってくれました。
久々に直虎(柴咲コウ)らと再会し、「楽」しそうな虎松。徳川家康(阿部サダヲ)に面会し、「井伊万千代」の名前をもらうと井伊家を再興させられると「喜び」で顔がキラキラ。しかし、希望職種の「小姓」ではなく、下働きの「草履番」にされ、「怒り」心頭。
家康を「くされ子狸!!」と罵り、殺すとか狸汁にするとかわめきつつ、現実の厳しさにちょっぴり「哀しく」涙…。たった1話の中で喜怒哀楽のすべてをむき出しにするって。いくらなんでも自分の雇い主を狸汁って。これほど感情がわかりやすい「若君」も珍しい。
今、NHKにはもうひとりの「若君」が登場している。土曜時代ドラマ『アシガール』の羽木家の若君・忠清(健太郎)だ。