今回の解散総選挙で、小池百合子・東京都知事による「リセット」の効果が最も劇的に現われるのが首都・東京である。「自民」vs「希望」という構図の中で、「風」に左右されやすい東京では、有力な地盤を持つ自民党議員も瀬戸際に立たされる可能性が高い。自民党関係者はこれまで、「公明と都民ファががっちり組んだ都議選と、自公が連携する国政選挙は違う」と口にしていたが、その土台も揺らいでいる。
確かに新党設立の当日、都議会公明党の東村邦浩幹事長は「不快。知事との信頼が裏切られた」と小池氏を批判したが、別の都政記者はこんな言い方をする。
「公明党の支持母体である創価学会、とりわけ婦人部の関係者からは、この日の夜の『山口(那津男・公明党代表)首班指名発言』を受けて、“やっぱり小池さんはわかってる”と好意的な反応が出たといいます。しかも小池氏は今回、太田昭宏氏(元公明党代表・前回総選挙で落選)の東京12区に対立候補をあえて立てない方針。そういった小池氏の公明・学会に秋波を送るように見える行動の一つ一つに、自民の各陣営は神経質になっている」
とりわけ当選回数の浅い自民党候補の陣営は不安に駆られている。たとえば1区(千代田区、港区の一部、新宿区の一部)の山田美樹氏(当選2回)だ。
「初当選の2012年から山田氏に選挙の戦い方を手ほどきしたのは“都議会のドン”と呼ばれた内田茂前都議でした。だが、その内田氏の推す候補は昨年の都知事選、今年の千代田区長選、都議選と、小池陣営に連戦連敗。今回も小池氏は、“ドンが目をかけた候補は潰す”と象徴選挙区の一つに位置づけてくるのではないか」(千代田総支部関係者)