国会議員は「採決要員」ではない。法案採決の際に党の指示通りに賛成票や反対票を投じるだけなら、議員はいらないのだ──。
与党議員も野党議員も、法案をつくり、国会で質問して政策をチェックするのが国民の代表としての役割である。たとえ質問機会が与えられにくい無所属であっても、内閣に質問主意書を出すことで質問権が保障されている。
ところが、NPO法人「万年野党」が衆参全議員の国会活動実績を調査した『国会議員三つ星データブック』によると、国会には前回の総選挙で当選して以来、国会質問、議員立法の提出、質問主意書のいずれも出したことがない議員活動実績ゼロの“税金ドロボー議員”がゴロゴロいる。
その代表格が小渕優子・元経産相だ。政治資金収支報告書にない後援会の観劇ツアー疑惑で経産大臣を辞任(2014年10月)後、東京地検特捜部の強制捜査を受け、会計責任者2人が有罪判決を受けた。小渕氏自身は同年12月の総選挙で当選したものの、その後の3年間の議員活動実績はオールゼロだ。
内閣改造で初入閣した小此木八郎・防災相も同じくゼロ。議員としての能力や実績で大臣に選ばれたわけではないことがわかる(自民党では他に、伊藤達也氏、山口泰明氏、桜田義孝氏、武田良太氏など)。
野党議員は与党に比べてはるかに質問機会が多い。それにもかかわらず、「安倍首相が最も嫌がる質問者」と呼ばれた民進党の安住淳氏、赤松広隆氏がゼロだった。