自らが代表となった「希望の党」を立ち上げた東京都の小池百合子知事(65才)。希望の党と合流することとなった民進党の前原誠司代表(55才)は、日本新党時代の小池氏の後輩にあたる。
「小池さんと前原さんは、しょっちゅう食事をする仲というわけではないですが、政治的信条はよく似ていますし、対談も多くこなしています。小池さんにとってはいい“弟分”という感じでしょう」(政治ジャーナリスト)
突然の解散で窮地に立たされた前原氏にとって、小池氏は“救いの神”となった。
「そのまま戦ったら民進党は選挙に惨敗していました。小池さんと会って、『あなた、思い切ってここで解党して合流しないと終わってしまうわ。今が決断の時よ』とスパッと言われたときには、プライドの高い前原さんは呆然としたと思いますが、信頼できる“姉貴分”の言葉だったから、前原さんは“民進党の最後の代表になる”という捨て身の決断ができたんでしょう」(民進党関係者)
小池氏の卓越したリーダーシップを頼って、仲間になろうとする男たちも多い。日本維新の会代表の松井一郎大阪府知事(53才)は、「都知事と府知事」という関係だったのに、小池氏とは個人的に会ったことがなかった。ところが、衆院解散が報じられ、水面下の小池氏の活発な動きを知ると、9月20日に上京して小池氏と会食。すっかり良好な関係を築き、小池氏と愛知県の大村秀章知事(57才)と会見し共闘をアピールした。
「松井さんとしては、維新の牙城である大阪の選挙区に、希望が候補者を立ててきたら大変です。小池さんの動きを知って愕然として、東京まで飛んでいったというわけです。小池さんと手を組むことができて、ホッとしていますよ」(維新関係者)
民進党から希望の党に合流するのは約130人といわれている。しかし、残りの約80人の候補者はまだ身の振り方が決まっていない。
「小池氏は政治的なスタンスが合わない候補者や民進党色の強いベテランは『排除』する方針です。その中には総理大臣経験者の菅直人氏(70才)や野田佳彦氏(60才)なども含まれます。民進党の中では大物の彼らも、決して選挙が強いわけではないですから、党から放り出されたこの状況には呆然としているでしょう。同じく希望に合流しない枝野幸男氏(53才)はさっそく新党『立憲民主党』を立ち上げました。小池氏の“排除の論理”は民進党の支持者から強引すぎるという批判も招いています」(前出・政治ジャーナリスト)