国会で質問をすることもなく、ただ過去の栄光でのみ生きながらえている。彼らは去り際を知るべきだ──。ハマコーこと故・浜田幸一氏が四半世紀前に自著『日本をダメにした九人の政治家』(講談社)で「日本をダメにした」と名指しした9人の政治家(自身のことも含む)は次々に去って行った。唯一、残っているのが小沢一郎氏だ。
この25年の間、常に政界激動の中心にあり、今回の解散総選挙をめぐり小池百合子・東京都知事が展開した“小池劇場”の陰にも野党の連携による「オリーブの木」構想を提唱する小沢氏の存在が見え隠れしている。
自民党では高村正彦・副総裁、谷垣禎一・元総裁らが引退を決めたが、野党の長老である小沢氏や亀井静香氏らは現役で次の総選挙に出馬する構えだ。
しかし、新しい政治への転換を求める国民から見れば、小沢氏に代わる政界オーガナイザーが登場しない限り、新たな政党をつくっては壊す政界再編の堂々巡りが続くように思える。
〈小沢君に近かった人ほど、彼に強い憎しみを持つと言われるくらいだが、私はそこにこそ、この才能に恵まれた男の最大の弱点があるのではないかと思う〉
ハマコーは小沢氏が自民党を飛び出して反自民の細川連立内閣をつくった直後、『日本をダメにした九人の政治家』の中でそう喝破した。外交評論家で元駐レバノン大使の天木直人氏が言う。