芸能

名女優が「この人だから脱いだ」と語る鬼才・五社英雄の世界

昭和を代表する映画監督だった(五社プロダクション提供)

 10月12日から京都で開催される「京都国際映画祭」。今年は没後25年となる日本映画界の鬼才・五社英雄監督の作品が特集上映される。彼はいかにして、修羅と官能の世界を作り出したのか。多くの女優たちが「脱ぐ覚悟はできていた」と語るその理由はどこにあるのか──。時代劇研究家・春日太一氏が五社ワールドについて寄稿した。

 * * *
 五社英雄監督は元々はフジテレビのディレクターだった。この時期に撮ってきた作品の大半は、男たちによる骨太のアクションで、その演出スタイルの容赦ない荒々しさから「五社血出お」「五社ひでえよ」などと揶揄されて、役者たちに恐れられていた。そのため、特に名の知れた女優たちは、あまり五社作品に出たがらなかったという。

 また、その頃の五社作品では、女優たちは「男たちのドラマの付け足し」という扱いで、存分に芝居をさせてもらえることはほとんどなかった。それが、フジテレビを退社して最初に撮った『鬼龍院花子の生涯』(1982年)以降、女性を主人公にした文芸作品を監督するようになると、スタイルも一変する。

 この映画で夏目雅子が「女優」として開眼したことを受けて、人気女優・若手女優たちがこぞって五社作品に出ることを望むようになったのである。そして、五社作品に出た女優たちは皆、艶めかしい輝きを放ち、その才能を開花させていく。

 一方的に演出を押し付けていくのではなく、彼女たちと徹底してコミュニケーションをとる──。この時期から、五社はそう演出を変化させている。心の底を打ち明けたくなる信頼関係を女優と構築することで、撮影現場で女優が五社に身も心も委ね、思い切った芝居ができるようになる。女優たちが気持ち良く演じやすい環境を作る。五社はそのことに腐心していた。

関連記事

トピックス

アメリカの実業家主催のパーティーに参加された三笠宮瑶子さま。写っている写真が物議を醸している(時事通信フォト)
【米実業家が「インスタ投稿」を削除】三笠宮瑶子さまに海外メーカーのサングラス“アンバサダー就任”騒動 宮内庁は「御就任されているとは承知していない」
NEWSポストセブン
11月に不倫が報じられ、役職停止となった国民民主党の玉木雄一郎代表、相手のタレントは小泉みゆき(左・時事通信フォト、右・ブログより)
《国民・玉木代表が役職停止処分》お相手の元グラドル・小泉みゆき「連絡は取れているんですが…」観光大使つとめる高松市が答えた“意外な現状”
NEWSポストセブン
10月末に行なわれたデモ。参加者は新撰組の衣装に扮し、横断幕を掲げた。巨大なデコトラックも動員
《男性向けサービスの特殊浴場店が暴力団にNO!》「無法地帯」茨城の歓楽街で「新撰組コスプレ暴排デモ」が行なわれた真相
NEWSポストセブン
秋田県ではクマの出没について注意喚起している(同県HPより)
「クマにお歌を教えてあげたよ」秋田県で人身被害が拡大…背景にあった獣と共存してきた山間集落の消滅
NEWSポストセブン
姜卓君被告(本人SNSより)。右は現在の靖国神社
《靖国神社にトイレの落書き》日本在住の中国人被告(29)は「処理水放出が許せなかった」と動機語るも…共犯者と「海鮮居酒屋で前夜祭」の“矛盾”
NEWSポストセブン
公選法違反で逮捕された田淵容疑者(左)。右は女性スタッフ
「猫耳のカチューシャはマストで」「ガンガンバズらせようよ」選挙法違反で逮捕の医師らが女性スタッフの前でノリノリで行なっていた“奇行”の数々 「クリニックの前に警察がいる」と慌てふためいて…【半ケツビラ配り】
NEWSポストセブン
「ホワイトハウス表敬訪問」問題で悩まされる大谷翔平(写真/AFLO)
大谷翔平を悩ます、優勝チームの「ホワイトハウス表敬訪問」問題 トランプ氏と対面となれば辞退する同僚が続出か 外交問題に発展する最悪シナリオも
女性セブン
2025年にはデビュー40周年を控える磯野貴理子
《1円玉の小銭持ち歩く磯野貴理子》24歳年下元夫と暮らした「愛の巣」に今もこだわる理由、還暦直前に超高級マンションのローンを完済「いまは仕事もマイペースで幸せです」
NEWSポストセブン
医療機関から出てくるNumber_iの平野紫耀と神宮寺勇太
《走り続けた再デビューの1年》Number_i、仕事の間隙を縫って3人揃って医療機関へメンテナンス 徹底した体調管理のもと大忙しの年末へ
女性セブン
白鵬(右)の引退試合にも登場した甥のムンフイデレ(時事通信フォト)
元横綱・白鵬の宮城野親方 弟子のいじめ問題での部屋閉鎖が長引き“期待の甥っ子”ら新弟子候補たちは入門できず宙ぶらりん状態
週刊ポスト
大谷(時事通信フォト)のシーズンを支え続けた真美子夫人(AFLO)
《真美子さんのサポートも》大谷翔平の新通訳候補に急浮上した“新たな日本人女性”の存在「子育て経験」「犬」「バスケ」の共通点
NEWSポストセブン
自身のInstagramで離婚を発表した菊川怜
《離婚で好感度ダウンは過去のこと》資産400億円実業家と離婚の菊川怜もバラエティーで脚光浴びるのは確実か ママタレが離婚後も活躍する条件は「経済力と学歴」 
NEWSポストセブン