ライフ

インスタ映えを過剰に意識したある読者モデルの末路

スマホで手軽に画像を修正できる

 画像投稿SNSのInstagram(インスタグラム)人気が高まるにつれ、「インスタ映え」という言葉も広まった。ファッション関係に人気が高いこのSNSでは、数多くのモデルが競い合うようにフォトジェニックでオシャレな、インスタ映えする自撮りを投稿し続けている。インスタ映えする自撮りへの執着から起きる様々な問題について、ライターの森鷹久氏がリポートする。

 * * *
「正直、ちょっと異常かなと思います。旦那さんもお子さんも気の毒で……」

 現役読者モデルのマユミさんがこういって見せてくれたのは、知人の読者モデル・A子の「インスタグラム」の画面だ。そこには、まさに「インスタ映え」するような場所で撮影された人物やモノの画像が溢れんばかり。現役の「読モ」であることを鑑みれば当然だが、筆者のようなオッサンからしてみれば、まあよくも毎日毎日、こんなに投稿することがあるなと感心するばかりだ。

 世の中の多くの若者が、いや、主婦や中年女性にもインスタグラムにおしゃれな写真をアップし続ける人が多いというのだから、筆者が時代についていけないだけか。一方で、インスタ映えさえすれば、立ち入り禁止の危険な場所に入って撮影したり、綺麗で可愛く盛り付けられたアイスが撮影後に食べられることなく破棄されたり、などといった問題もあるようだ。

 マユミさんによれば、A子のインスタグラムにも、あまりにも行き過ぎたある「問題」が存在するという。

「A子は、インスタにあげる写真を全て自分で加工します。顔はより小さく、エラを削って目は二重の幅を広くし大きく、もちろん黒目も大きく。胸は膨らませてウエストをキュッとさせて、足も伸ばす。女性誌に載ってる整形の広告、まさにアレですね」

 確かにA子のインスタグラムに挙げられたセルフィー(自撮り写真)は、どれも何と無く違和感を覚えるモノばかり。画像が妙に荒れていたり、二人で並列に並んでいるはずなのに、遠近感を感じてしまうほどにA子の顔だけが縮んでいたりする。顔の輪郭やスタイルはとても日本人のモノと言えるような造形をしていない。

「止まれ」の標識のような頭部に、風船を二個詰めたようなバスト、ウエストは折れそうなほど細く、足はどこまでも伸びる……まるで下手なデッサンのお手本のような頭身とバランスだ。マユミさんが続ける。

「読モだから”どんな写真が映えるか”はよく知っています。私たちだって、インスタにあげる写真の撮り方をたくさん研究している。でもA子のは異常。A子のインスタには、A子風のA子ではない、もっと美人な架空の誰かが掲載されてるだけ。人に見られる商売をしていると、多少感覚が麻痺していくのはわかりますが、A子みたいに暴走しちゃってる子は何人かいます。そしてネットで叩かれている……」

 A子同様、過剰に自身の演出をしていると噂されているフリーモデル・B美を販促イベントに呼んだことのある、渋谷区内にあるアパレル店のプレス担当者も次のように証言する。

「インスタなどのSNSを拝見して、影響力がありそうだと思って店頭販売イベントに来てもらったんですが……。身長もスリーサイズも事前に聞いていたのとは全く違い、急遽着てもらう衣装を差し替えた。SNSやショー出演時の写真と比較しても全くの別人。B美さん目当てで来たお客さんですら、一目でB美さんと気がつかないレベル。うちの店で撮られたB美さんの無修正写真がSNS上に出回り、ちょっとした騒ぎになりました」

 さらには、B美が出演していたファッションショー関係者も、ため息交じりに話す。

「とにかく写真のチェックというか、修正が厳しい。ショーの告知に使う写真をカメラマンが撮影しても、データを持ち帰って自分で修正したモノを載せろ、と言ってくる。ショー後にホームページへ載せる写真も同様です。カメラマンは当然怒っちゃうし、何しろ、ほかの子たちに混じって一人だけ”蝋人形”みたいな写真ですから浮いちゃって浮いちゃって……。結局、B美の写真はホームページから削除しました」

関連キーワード

関連記事

トピックス

佳子さまと愛子さま(時事通信フォト)
「投稿範囲については検討中です」愛子さま、佳子さま人気でフォロワー急拡大“宮内庁のSNS展開”の今後 インスタに続きYouTubeチャンネルも開設、広報予算は10倍増
NEWSポストセブン
「岡田ゆい」の名義で活動していた女性
《成人向け動画配信で7800万円脱税》40歳女性被告は「夫と離婚してホテル暮らし」…それでも配信業をやめられない理由「事件後も月収600万円」
NEWSポストセブン
大型特番に次々と出演する明石家さんま
《大型特番の切り札で連続出演》明石家さんまの現在地 日テレ“春のキーマン”に指名、今年70歳でもオファー続く理由
NEWSポストセブン
NewJeans「活動休止」の背景とは(時事通信フォト)
NewJeansはなぜ「活動休止」に追い込まれたのか? 弁護士が語る韓国芸能事務所の「解除できない契約」と日韓での違い
週刊ポスト
昨年10月の近畿大会1回戦で滋賀学園に敗れ、6年ぶりに選抜出場を逃した大阪桐蔭ナイン(産経新聞社)
大阪桐蔭「一強」時代についに“翳り”が? 激戦区でライバルの大阪学院・辻盛監督、履正社の岡田元監督の評価「正直、怖さはないです」「これまで頭を越えていた打球が捕られたりも」
NEWSポストセブン
ドバイの路上で重傷を負った状態で発見されたウクライナ国籍のインフルエンサーであるマリア・コバルチュク(20)さん(Instagramより)
《美女インフルエンサーが血まみれで発見》家族が「“性奴隷”にされた」可能性を危惧するドバイ“人身売買パーティー”とは「女性の口に排泄」「約750万円の高額報酬」
NEWSポストセブン
現在はニューヨークで生活を送る眞子さん
「サイズ選びにはちょっと違和感が…」小室眞子さん、渡米前後のファッションに大きな変化“ゆったりすぎるコート”を選んだ心変わり
NEWSポストセブン
悠仁さまの通学手段はどうなるのか(時事通信フォト)
《悠仁さまが筑波大学に入学》宮内庁が購入予定の新公用車について「悠仁親王殿下の御用に供するためのものではありません」と全否定する事情
週刊ポスト
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”の女子プロ2人が並んで映ったポスターで関係者ザワザワ…「気が気じゃない」事態に
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(左・時事通信フォト、右・Instagramより 写真は当該の店舗ではありません)
味噌汁混入のネズミは「加熱されていない」とすき家が発表 カタラーゼ検査で調査 「ネズミは熱に敏感」とも説明
NEWSポストセブン
船体の色と合わせて、ブルーのスーツで進水式に臨まれた(2025年3月、神奈川県横浜市 写真/JMPA)
愛子さま 海外のプリンセスたちからオファー殺到のなか、日本赤十字社で「渾身の初仕事」が完了 担当する情報誌が発行される
女性セブン
昨年不倫問題が報じられた柏原明日架(時事通信フォト)
【トリプルボギー不倫だけじゃない】不倫騒動相次ぐ女子ゴルフ 接点は「プロアマ」、ランキング下位選手にとってはスポンサーに自分を売り込む貴重な機会の側面も
週刊ポスト