1杯100円から飲めるコンビニエンスストアの「いれたてコーヒー」といえば、忙しいサラリーマンや外回りのドライバーなどがこぞって愛飲。コンビニの代表商品としてすっかり定着した感があるが、いま各チェーン間のコーヒー戦争が新たな展開を見せている。
まずは大手3チェーンのいれたてコーヒーに関する最新動向を見ていこう。
2013年の販売開始以来、累計販売数24億杯(2016年8月末時点)、いまでも年間約9億杯超と断トツの売れ行きを誇るセブンイレブンの「セブンカフェ」は、今年2月より新型マシンを導入。従来のホット・アイスコーヒーに加え、ホットカフェラテ(レギュラーサイズ150円)の販売も始めた。
2011年より「マチカフェ」を展開しているローソンでは、すでにカフェラテ(Mサイズ150円)や紅茶(ダージリンティーやロイヤルミルクティーなど)、ココア、宇治抹茶ラテなど様々ないれたて飲料を提供しているが、昨年より主力のコーヒーにカフェインレスの商品を追加。さらに、今年はジャマイカ産のこだわり豆を使ったブルーマウンテンコーヒー(300円)なども販売している。
そして、ローソンは10月17日より驚きの商品を追加する。それはコーヒーマシンで提供するホットミルク(130円)だ。
じつはローソンの誕生は、1930年に米オハイオ州でJ.J.ローソン氏が営んでいた牛乳販売店が起源となっている。店の青い看板に牛乳瓶が描かれているのもそのためだ。商売の原点に戻るというわけではなかろうが、現代の健康志向の高まりやカルシウム不足を補いたい人たちのニーズに応えようと「マチのミルクスタンド」を掲げた。
異色ともいえるコーヒーマシンシリーズでもっとも多くの新商品を出しているのは、2012年スタートのファミリーマート「ファミマカフェ」である。
特に力を入れているのが夏場によく売れるカキ氷状のフラッペ。リッチフラッペマンゴー(330円)、クッキーバニラフラッペ(290円)、ブルーベリーフラッペ(290円)などを相次いで投入し、10代や20代の若者たちから多くの支持を集めている。涼しくなったこの秋もキャラメルフラッペ(290円)を加えたばかりだ。
もちろんファミマも主力コーヒーの刷新にぬかりはない。10月よりコーヒー豆の配合や焙煎方法を変え、毎日飲んでも飽きない風味や味わいを追求したという。
だが、こうして3社のトレンドを追っていくと、メインのコーヒーよりもむしろマシンを使った派生商品の戦いに移行している。100円のレギュラーコーヒーはすでに人気が一巡してしまったということなのか。
コンビニ専門紙『コンビニエンスストア速報』編集長の清水俊照氏がいう。