日本でも年々、その規模が拡大しているハロウィーン。大人はコスプレして友人たちと大騒ぎするのが目的かもしれないが、子供たちは「お菓子をもらえる日」だと理解しているようだ。評論家の呉智英氏が、ハロウィーン特有の、お菓子をねだる子供の定番セリフに疑問を呈する。
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もうじきハロウィーンの狂騒が町にあふれかえる。愚行と言えば愚行だが、目的を考えれば、まあ一日か二日の大騒ぎだ、目をつぶり耳をふさいでおくか。目的といっても万聖節の意義だの祖霊を祀るだのという意味ではない。新式の「ヤリ日」という意味だ。発情期の若者たちは一日でも多くヤリ日を求めている。たまたまアメリカの祭に目をつけただけの話だ。
それよりも、家族そろって微笑ましくハロウィーンというのが嫌だ。子供に奇妙な扮装をさせ、隣近所を「トリック・オア・トリート」と叫んでうろつかせるのは最悪だ。中には日本語で「悪戯されたくなきゃお菓子をくれ」と言うガキもいる。
こんなガキが夜間戸口に現れたら、「悪戯だと? やれるもんなら、やってみろ」と怒鳴りつけるのが正しい大人の作法だ。それでも悪戯に走るガキがいるなら、手近にあるバットで殴り倒してやればいい。正当防衛、悪くても過剰防衛である。その場合、日本中の人権派弁護士が何百人も結集して一大法廷闘争となり、必ずや無罪が勝ち取れるだろう。ま、保証の限りではないが。
よく考えてみよう。この子供は何の権利があってお菓子を要求するのだろう。通常、家族でもない相手にお菓子を要求できるのは、売買契約の履行を求めるなど何かの債権としてである。それ以外に、この子供によって近隣の人たちの所有権が侵害されなければならない理由はない。しかも、このガキは脅迫的言辞まで弄している。