大相撲9月場所は3横綱2大関が休場に追い込まれる寂しい土俵となっただけに、多くのファンが11月の九州場所での上位陣の戦線復帰を望んでいる。とりわけ期待を集めるのが唯一の日本人横綱・稀勢の里だが……。
10月2日に両国国技館で行なわれた「全日本力士選手権」で、稀勢の里が昨年に続いて2連覇を果たすと、翌日のスポーツ紙は一斉に派手な見出しを打った。
〈稀勢優勝!!〉(日刊スポーツ)、〈稀勢復活のろし〉(デイリースポーツ)、〈稀勢復活へ吉兆V2〉(スポーツ報知)、〈稀勢V2 九州場所で再起だ〉(サンケイスポーツ)──。
大会後の稀勢の里のコメントも前向きだった。
「これまで体を作って来たのが(相撲に)出ている。下半身もそうだし、全身が使えている。勝ったのは光栄。非常に良かったんじゃないか。これをきっかけにしていきたい」
途中休場を含めて3場所連続休場中だけに、九州場所に出るなら、ファンが見たいのは復活優勝しかない。しかし──なぜか現場を知る関係者は一様に顔を曇らせるのだ。若手親方の一人がいう。