「新聞という強力な宣伝媒体があるのは大きな強みでしょう。我々が新聞に全面広告を打つなんてなかなかできるものじゃない。このビジネスで最も苦労するのは女性の参加者を集めること。男女の参加比が5対1というケースも珍しくない。そんな中、強気な会費設定が吉と出るか凶と出るか。興味深く見ています」

『「婚活」時代』などの著者で、「婚活ブーム」の火付け役となったジャーナリストの白河桃子氏は「業界に与えるインパクトは大きい」と指摘する。

「朝日新聞のブランド力は大きく、集客力は高いでしょう。これまでの“出会い”を強調した婚活パーティに抵抗のある40代の女性が大挙しておしかける可能性もある」

 ただし、男女の出会いを取り扱うゆえのリスクもある。井原氏は「事前審査の厳しさ」を強調したが、恋人がいることを伏せて参加したり、書類などを偽造して審査をすり抜けようとする参加者がゼロとは限らない。出会いビジネスにそのようなリスクがつきまとうことは、朝日新聞も度々報じている。

 朝日新聞の2017年3月期の有価証券報告書によれば、朝刊発行部数は前年同期比4%減、営業利益も前期比4割減の70億円となっている。本業が先細りするなか、この“副業”は、新たな光明となるのだろうか。

※週刊ポスト2017年10月27日号

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