鉄道が開通して、今年で145年、駅弁誕生は132年前といわれている。もはや列車の旅に欠かせない駅弁。なかでも駅弁マニアの聖地、小淵沢がアツイ!
◆駅弁の常識を覆す“非常識”に出会う旅
山梨・小淵沢駅は今年7月に新駅舎となり、八ヶ岳、南アルプスを眺めながら駅弁を楽しめるテラスも完成。9月には『マツコの知らない世界』(TBS系)で櫻井寛さんが「小淵沢はマニアの聖地」とユニークな駅弁の数々を紹介。問い合わせが殺到し、一部商品は生産が追いつかないほど人気となっている。
新宿から特急で約2時間。1日の乗車人員が1500人に満たない小淵沢駅が“聖地”となった理由を、櫻井さんは「都心からアクセスしやすく、マニア心をくすぐる駅弁が揃っているから」と話す。
「常温で長時間保存が“常識”の駅弁なのに、生野菜がメインのおかず。釜飯は注文後作り始めて、アツアツ…。マニアだからこそ、こういった“非常識”がツボにはまるんです」
◆土地のおいしいものを活かしてこそ、駅弁
「同じチキンカツを使った駅弁でも『高原野菜とカツの弁当』と『カツサンド』では、それぞれ違った歯ごたえを出すために、揚げ油の配合を変えています」と、こだわりを教えてくれたのは、小淵沢で駅弁を販売する『丸政』の古屋美彦さん。
「そもそも駅弁は、その土地の名産をお弁当に仕立てたものであるはず。小淵沢は、高原ならではのレタスやセロリ、地元のブランド和牛など、土地の個性を駅弁に活かすことに成功しています」(櫻井さん)
牛肉の弁当は全国にあるが、上質な信州産和牛で作っている。信州りんごを弁当に入れるなど、地域の個性と、弁当ひとつひとつに隠されたこだわりが、人気の駅弁を生み出しているのだ。
前出の弁当をはじめ、秋旅のお供にしたい、マニアたちが太鼓判を押す逸品を5つご紹介!
◆『高原野菜とカツの弁当』(1000円)
レタス、きゅうり、セロリなどの生野菜を使用しているため、製造後6時間しか販売できない小淵沢限定のレア駅弁。チキンカツの食感もいいと、マツコも絶賛。
◆『直火炊き 山菜鶏釜めし』(1000円)
櫻井さんが「でき上がるまで45分かかるので、新宿で特急電車に乗る前に電話注文して、熱々を食べる」とテレビで紹介したところ、現在は予約困難に。小淵沢駅裏にある厨房で作られている。※要予約。
◆『小淵沢丸政の信州牛御辨當』(1980円)
櫻井さんが「肉が軟らかくてジューシーで、びっくりしますよ!」と太鼓判を押す。秘伝のたれで焼き上げた信濃のブランド和牛『りんごで育った信州牛』のA4・A5ランク肉が、一面ギッシリ。
◆『八ヶ岳高原たまごサンド』(650円)
厚焼きの卵焼きにマスタードを薄く塗ってサンド。東京駅の駅弁専門店『祭』でも販売されるが、午前中に完売することも。
◆『地元のうまいものを詰めたおこわの二段弁当』(1600円)
1985年に誕生した看板商品。「地元の食材を使ったWおこわの駅弁。懐かしい経木の折詰がいい味出している」(櫻井さん)。
※掲載している商品の情報はすべて2017年10月現在、編集部調べ。
※女性セブン2017年10月26日号