ただし、問題が一つありました。CMって誰でも出られるわけではないんです。ハードルが高い。ママタレで、CMがないタレントは忘れられても仕方がないのか、という状況下に現れた救いの手がブログでした。休んでいる間に自分のお腹が大きくなっていく様子を報告し、食べ物、悩みも含めて、ファンと共有し、コメント欄では色々な情報を集められます。初めてのママさんが多いので、産んでからの葛藤もあるだろうし、一喜一憂しながら書いていく。多くの同じ境遇の人が共鳴する。そこで、新たなファンも作れる。東尾理子さんとか、子供を作るという過程すらブログで本音を書いていたし、色々な意味で、問題提起でもあった。
◆小林麻央のブログは彼女の生き様が残された
最近だと「不妊」というテーマは関心が高いですよね。保田圭さん、川崎希さんとかもそうです。こういうのは、かつて芸能界、いや、世の中ではあまり言わないことでした。加えて、そういうことを打ち明けたら、「あなたはお金があるからできるんでしょ?」という反発もありました。ただ、こうして問題提起をすることにより、色々な夫婦が色々なことを考えるきっかけになりました。すごく意義がある話だと思います。
そりゃあ、芸能人がブログでプライベートなことを書くことに全員が賛成しませんよ。ただ、例えば小林麻央さんのブログでは、麻央さんの生き様が残された。それはちょっとほかのメディアではないことです。心のひだまでが見えていくのはブログならでは、と思います。衝撃度が大きいことを書けば、否定的な意見も来る。そういうことが媒体の存在意義じゃないかなと思います。ツイッターでモメることはあります。ただし、あれはもうちょっと感情論みたいなものですね。ブログの意見の応酬は論争であり、意義があると思う。文字数があるから言葉足らずにならない。言葉足らずになっても、その後フォローして追加を書けばいい。
もともと芸能人の情報発信について、芸能プロという管理する側からすれば望ましいことではないという考え方がありました。昔はプロダクションやマネージャーが、芸能人が書いたブログやSNSをチェックしてから更新していたように思います。ところが、最近それも減ってきている、というか、ほぼないのではないでしょうか。それはやはり、タレントが本音を明かす場という役割をブログが担っているから。インタビューでも「自分の言葉」だけを伝えられるケースはそうそうないですよね。インタビューの場合は、基本的にマネージャーが立ち会いますから。
芸能人ってファンに向けて発信をしていることが多いと思うのですが、自分のファンだけを向いていては、いつまでたってももうファンは増えない。でも、アメブロのようなカテゴリーごとのランキングがあったりして「ママ」みたいなくくりにしてくれると、興味なかった人からしても、なんとなく「見てみようかな……」って話になります。