「希望の党」を結党した際、「今度の選挙は政権選択選挙になる」と宣言した小池百合子東京都知事(65才)。“日本初の女性総理誕生か”との期待が高まったが、ふたを開けてみれば、日米安保や憲法改正についての思想チェックのため「踏み絵」を実施し、入党を希望する国会議員を「排除」して、自らの出馬を見送る──。
「そりゃないよ、小池さん」。一連のやり口に、彼女を支持する女性有権者から一斉にブーイングが上がった。9月27日に行われた希望の党の設立会見における、“あるシーン”に異を唱えたのは作家の林真理子さんだ。会見冒頭、設立メンバーがそろって着席すると、小池氏がヒールの音を響かせて歩くプロモーションビデオが流れた。その直後、ひとり颯爽と姿を現した小池氏をメンバー全員が立ち上がって迎えたことを、林さんは「演出過剰」と斬って捨てて、返す刀でこう指摘した。
《あの瞬間、小池さんは大きな勢力の女王として君臨したのである》(『週刊文春』10月12日号)
小池氏は1992年に日本新党から参院選に出馬して初当選。その後5つの政党を渡り歩き、2002年に自民党に入党した後には環境大臣、防衛大臣などを務めた。
男社会の永田町で「新入りの女性議員」が出世することへの風当たりは強い。小池氏は公式ホームページのコラムでその苦労をこう記している。
《永田町のエネルギーは“嫉妬”の構造と言われる。この2文字をオンナ偏からオトコ偏に変えるべきだ。男の嫉妬ほど厄介なものはない》
こうした「理不尽と闘う女」のイメージが小池人気の秘訣だったと指摘するのは、国際政治学者の三浦瑠麗さんだ。
「これまでは、“女性らしさを失わず男社会にたったひとりで立ち向かう”という小池さんのイメージが多くの女性の支持を得てきました。彼女は『弱者』という観点から応援されてきたんです」