1947年に制定された10月10日の「目の愛護デー」。全国各地で目に関するさまざまなイベントが行われた。女性セブン読者世代が気になり始めるのが「新聞や雑誌の文字が見えづらい」「遠くと近くで見え方が違う」…という加齢とともに訪れる悩みではないだろうか。
その悩みを解決する助けとなるのが「老眼鏡」だ。これを読めばあなたにピッタリの1本が見つかるはずである。
では、「自分に合った老眼鏡」はどう作ればいいのか。メガネレンズの専門店『れんず屋』の鈴木亜子さんが語る。
「大切なのは、使用者の用途、使用場所、シチュエーションなど、自分のライフスタイルに合った老眼鏡を作ることです。女性の場合、家事など家の中での作業が多いとか、スーパーに自転車で買い物に行く際に周りが見づらいなど、その悩みは多岐にわたります。自分の目の悩みに合った老眼鏡を作りましょう」
老眼鏡は、大きく分けると「単焦点レンズ」と「多焦点レンズ」の2つの種類がある。 ピントの合う距離が一定なのが「単焦点レンズ」で、読書用として目から40cm程度の距離にピントを合わせる「リーディンググラス」などが一般的だ。
「合わせた距離以外は見えづらいため、パソコン用(60~80cm程度)、読書用など、さまざまなシーンで使う場合は複数の老眼鏡が必要となります」(『東京メガネ』の認定眼鏡士の我妻三朗氏)
一方、多焦点レンズは、複数の距離を1つのレンズで見ることができる。焦点距離の異なる2つのレンズを繋ぎ合わせているため「二重焦点レンズ」とも呼ばれる。これは、レンズの上部が遠用、下部が近用という構造になっており、中央にその境界線が入っている。一目で老眼鏡とわかり、「ダサい」と敬遠されがちな老眼鏡がこのタイプである。
その問題を解消して、現在主流となっているのが、前述した「累進屈折力レンズ」である。レンズ中央に線が入っていないため、見た目は普通のレンズと変わらず、一見では老眼鏡とはわからない。
「レンズの位置によって屈折力(度数)が変化する累進屈折力レンズは『遠近両用』『中近両用』『近近両用』に分かれ、複数の距離を1つのメガネで見えるようにしたものです」(鈴木さん)
例えば「遠近両用メガネ」ならば、上部に「遠用部」、下部に「近用部」が備えられ、中間部分からゆるやかに度数が変化していく。「『遠近両用メガネ』は8割が遠く、残りの2割が近くを見るためのメガネです。『中近両用メガネ』は遠くが6割で、近くが4割です。つまり1つのメガネで複数の距離が見えるといっても、その割合はメガネによって異なります」(我妻氏)
このように細分化されていると、どのタイプの老眼鏡を選んでいいのかわからないという読者も多いはず。またスマホ画面は25cm、パソコンは60cm、テレビは3~4mなど、多様な距離にピントを合わせることが求められる現代の複雑な社会環境も、これに拍車をかける。
ここからは鈴木さん、我妻氏のアドバイスをもとに「お悩み別」に、どんな老眼鏡を選ぶべきかを紹介していく。