増え続ける外国人観光客。インバウンド消費の増加で地域の経済が潤っている側面もあるが、その“経済効果”に期待するあまりか、「おもてなし過ぎ」と指摘されるサービスまで登場し、議論を呼んでいる。
10月13日から「ジャパン・エクスプレスウェイ・パス」の販売が始まった。これは、レンタカーを利用する訪日外国人観光客を対象に、全国の主な高速道路が乗り放題になるパスだ。利用者は全国275のレンタカー店で、パスポートか外国に永住権を持つことを証明する書類を提示し、車とともに特別仕様のETCカードを借りることでサービスを利用できる。
乗り放題となるのは東日本、中日本、西日本のNEXCO3社と宮城県、京都府、兵庫県の道路公社3社が管理する高速道路。首都高速や阪神高速、北海道内の高速道路は含まない。
最大の注目点は「安さ」だ。パスは7日間で2万円、14日間で3万4000円。東京・大阪間の基本通行料は1万2000円弱(普通車)なので、最安パスでは一往復で元が取れる。
旗振り役を務めた石井啓一・国交相は、販売開始直前の会見で同サービスについて「多くの外国人旅行者に訪れていただき、地方の活性化に繋がることを期待する」と胸を張った。
たしかに、今年上半期の訪日外国人は約1375万人で過去最高となり、同時期に訪日客が宿泊や飲食などで消費した額は半期ベースで初めて2兆円を超えた。
空前の訪日ブームに掉ささんとする乗り放題パスだが、超格安サービスであることの“デメリット”を指摘する声も聞かれる。