ニューヨークタイムズ紙が報じた1本の記事(10月5日付)が、ハリウッドを大きく揺るがしている。それは、映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタイン氏(65)の30年にわたるセクハラを告発する衝撃的な内容だった。
ワインスタイン氏といえば、341本もの作品がアカデミー賞にノミネートされ、うち81本で受賞、自身もプロデューサーとして1999年に『恋におちたシェイクスピア』、2003年に『シカゴ』で作品賞を受賞した。
ハリウッド映画界に絶大な影響力を持つ超大物プロデューサーを告発したのは、女優のアシュレイ・ジャッドだった。20年前、ビバリーヒルズのホテルに「ミーティングをしたい」と呼んだ彼女をバスローブ姿で迎えたワインスタイン氏は、ベッドでのマッサージを求めた。彼女が断わると、今度は自分がシャワーを浴びている姿を見るよう強要したという。同紙ではワインスタイン氏の会社で働く女性社員も全裸の彼をマッサージしたと証言している。さらに10月10日の「ニューヨーカー」誌ではイタリア人女優アーシア・アルジェントがレイプ被害を告白した。
一連の報道で、過去にセクハラ行為を受けたハリウッド女優が次々と声を上げた。アンジェリーナ・ジョリー、ミラ・ソルヴィーノ、ヘザー・グラハム、ケイト・ベッキンセイル──その数は30人を超えたとの報道もあり、現在も増え続けている。