発売から4か月でたちまち6刷となったベストセラー『なんとめでたいご臨終』(小笠原文雄著)は、最期まで家で暮らしたいという多くの高齢者の夢が、誰でも叶う社会になりつつあることを、在宅医療の名医が豊富な実例とともに紹介したものだ。
同書を読んだ愛知県に住む小学6年生の竹下詠乃さんの書いた感想文が、第63回豊橋市小中学校読書感想文コンクールで入選した。まだ幼い彼女が読んだのはなぜか。原稿用紙3枚にわたる作文には、しっかりとした将来の夢と希望、一緒に住む祖母の老いを見つめる優しい視線がありました。ご家族、関係者のみなさんの承諾が得られたので、全文をここに掲載します。
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「ぴんぴんころり」「死んじゃうのに笑顔でピース」「めでたいご臨終」…。
なにそれ?どういう意味?次々に出てくる、訳がわからない言葉に、私の頭の中はハテナだらけだった。
私には、夢がある。心臓外科か救命のドクターになって、人の命を助け、病気で苦しむ人を笑顔にしたい。
この事を知る母からすすめられたのが、この本だ。医学博士・小笠原文雄先生が出会った患者さんとその家族のことが、たくさん書かれていた。
文雄先生は、終末在宅医療の専門家。それまで私が知っていたドクターは、テレビドラマに出てくるような、命を助け、病気やケガを治す役割。
でも、在宅医療の世界は、このイメージとは全く違った。末期ガンの人、機械をつけて生活しないと辛い人。小さな子供を育てながらの人。様々な人が、終わりを感じながら自分の命と向き合っている。文雄先生は、最後にどうしたいか、という「本音」を聞いて、寄りそい、旅立つまでを支える。旅立つ人も苦しまず、心残りもなく、「ありがとう」と旅立つ。その家族も全員くいなく笑顔で見送る。すごいことだと思った。
人は誰もが、精一杯生きたいと願い、安らかに死にたいと願う。それが叶うのだ。やっと、疑問だった言葉の意味が分かった。
私には、70歳を過ぎる祖母がいる。これまでは、大好きな祖母が死ぬ事はとても怖く、想像もしたくない事だった。でも、本人はどうしたいのか、知っておいた方がいいのかなと、同じく本を読み終えた祖母に聞いてみた。