ライフ

野菜も超リアルに表現 謎の牙彫師・安藤緑山の素顔

リアルな『胡瓜』に壇蜜もビックリ

 超絶技巧で再評価の機運が高まる明治工芸の作品と、そのDNAを引き継ぐ15人の現代作家の作品が堪能できる特別展、「驚異の超絶技巧!~明治工芸から現代アートへ~」(三井記念美術館で12月3日まで開催)が話題となっている。

 本展のメインビジュアルを飾るのが、安藤緑山(ろくざん)の『胡瓜』。前回の展覧会『超絶技巧!明治工芸の粋』(2014~2015年)にも作品が出展され、その精巧さに見とれてガラスケースに額をぶつける人が続出したという。

 そんな明治工芸の名匠の“正体”が、このたび明らかになった。明治学院大学教授で美術史家の山下裕二氏が語る。

 * * *
 安藤緑山という牙彫師(象牙など動物の牙に細工する彫刻家)に関する生前の記録は、『東京彫工会会員役員人名録』にある明治末期から大正期の住まい(現東京都台東区)と師匠の存在のみ。出身地や生没年すらわからない、極めて謎めいた存在でした。

 ですが、ここへきて予期せぬビッグニュースが舞い込みました。

 なんと本展を機にご遺族が名乗り出てくださり、写真も提供していただけたのです。その生涯や制作の詳細のついては今後調査を進め、三井記念美術館の小林祐子学芸員による論文として発表される予定です。牙彫師・安藤緑山、そして明治工芸の再評価に繋がる貴重な報告となることでしょう。

 緑山の作品でまず目を奪われるのは、「これはホンモノか!?」と見紛うようなスーパーリアルな造形。そして、その発想力です。

関連キーワード

関連記事

トピックス

春の園遊会に参加された天皇皇后両陛下(2025年4月、東京・港区。撮影/JMPA)
《春の園遊会ファッション》皇后雅子さま、選択率高めのイエロー系の着物をワントーンで着こなし落ち着いた雰囲気に 
NEWSポストセブン
現在はアメリカで生活する元皇族の小室眞子さん(時事通信フォト)
《ゆったりすぎコートで話題》小室眞子さんに「マタニティコーデ?」との声 アメリカでの出産事情と“かかるお金”、そして“産後ケア”は…
NEWSポストセブン
週刊ポストに初登場した古畑奈和
【インタビュー】朝ドラ女優・古畑奈和が魅せた“大人すぎるグラビア”の舞台裏「きゅうりは生でいっちゃいます」
NEWSポストセブン
逮捕された元琉球放送アナウンサーの大坪彩織被告(過去の公式サイトより)
「同僚に薬物混入」で逮捕・起訴された琉球放送の元女性アナウンサー、公式ブログで綴っていた“ポエム”の内容
週刊ポスト
まさに土俵際(写真/JMPA)
「退職報道」の裏で元・白鵬を悩ませる資金繰り難 タニマチは離れ、日本橋の一等地150坪も塩漬け状態で「固定資産税と金利を払い続けることに」
週刊ポスト
精力的な音楽活動を続けているASKA(時事通信フォト)
ASKAが10年ぶりにNHK「世界的音楽番組」に出演決定 局内では“慎重論”も、制作は「紅白目玉」としてオファー
NEWSポストセブン
2022年、公安部時代の増田美希子氏。(共同)
「警察庁で目を惹く華やかな “えんじ色ワンピ”で執務」増田美希子警視長(47)の知人らが証言する“本当の評判”と“高校時代ハイスペの萌芽”《福井県警本部長に内定》
NEWSポストセブン
ショーンK氏
《信頼関係があったメディアにも全部手のひらを返されて》ショーンKとの一問一答「もっとメディアに出たいと思ったことは一度もない」「僕はサンドバック状態ですから」
NEWSポストセブン
悠仁さまが大学内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿されている事態に(撮影/JMPA)
筑波大学に進学された悠仁さま、構内で撮影された写真や動画が“中国版インスタ”に多数投稿「皇室制度の根幹を揺るがす事態に発展しかねない」の指摘も
女性セブン
奈良公園と観光客が戯れる様子を投稿したショート動画が物議に(TikTokより、現在は削除ずみ)
《シカに目がいかない》奈良公園で女性観光客がしゃがむ姿などをアップ…投稿内容に物議「露出系とは違う」「無断公開では」
NEWSポストセブン
長女が誕生した大谷と真美子さん(アフロ)
《大谷翔平に長女が誕生》真美子さん「出産目前」に1人で訪れた場所 「ゆったり服」で大谷の白ポルシェに乗って
NEWSポストセブン
『続・続・最後から二番目の恋』でW主演を務める中井貴一と小泉今日子
なぜ11年ぶり続編『続・続・最後から二番目の恋』は好発進できたのか 小泉今日子と中井貴一、月9ドラマ30年ぶりW主演の“因縁と信頼” 
NEWSポストセブン