10月22日の衆院選特番で民放トップの視聴率を記録したテレビ東京『池上彰の総選挙ライブ』。キャスターの池上彰氏が衛星中継で語りかけた。
「パリではボンジュールの時間でしょうか?」
そんな洒脱な言葉にも、フランスに滞在中の希望の党代表、小池百合子東京都知事(65才)は神妙な面持ちを崩さず、「…はい」と一言。次いで出てくるのは反省の弁ばかり。政権交代をかけて挑んだ戦いに惨敗した彼女からは、いつもの軽妙な“小池節”が消えていた。
紆余曲折して、最後には超大型の台風までやって来て“荒れ模様”だったものの、フタを開ければ自民党が過半数以上の284議席。結局、選挙前と国政の状況はほとんど何も変わらなかったというのが、今回の衆院選。
「11月1日に国会が招集されて、安倍晋三氏(63才)が首相に指名されます。閣僚もほとんどそのまま留任。自民党にしてみれば“安倍政権が今までやってきたことが国民に評価された”という“印籠”を手に入れたようなもので、これから強気に政治を進めていきますよ」(自民党関係者)
でも、それは本当に民意をストレートに反映した選挙結果なのだろうか?
たとえば、選挙直前の10月17、18日に実施された朝日新聞の世論調査で、「安倍さんに今後も首相を続けてほしいと思うか」という問いに「そうは思わない」と答えたのは51%で、「続けてほしい」と答えた34%を大きく上回った。安倍内閣の支持率も38%と、不支持の40%を下回った。
安倍首相の考えに近い産経新聞の調査(10月14、15日実施)でさえ、安倍内閣の支持率は42.5%で、不支持は46.3%だった。選挙期間中にも各調査で不支持率がどんどん上昇していった。
安倍不支持なのに、なぜ自民党が圧勝なのか? 理由はとても単純だ。
◆小池氏が決めた“オウンゴール”