希望の党結成時には“初の女性総理大臣の誕生か?”という高揚感すらあったのに、「排除」発言を節目に急激に失速してしまった小池百合子東京都知事。
「私自身に驕りがあった」
「(排除は)きつい言葉だった。傷つけるつもりはなかった」
衆院選後のテレビ東京『池上彰の総選挙ライブ』では、パリからの中継で、そう悔やんだ小池氏。都知事選、都議選、希望の党立ち上げと、トントン拍子でうまくいったことで“勘違い”し、上から目線になっていたのだろう。
そんな彼女の弱り目祟り目を、永田町の古狸たちが見逃すはずがなかった。
まずは安倍首相と自民党のお歴々たち。大義を欠く解散は「モリカケ隠し」と批判され、森友学園・加計学園問題が再燃しつつあった。しかし、希望の党結党と失速が一気に話題を奪ってくれた。自民党関係者が言う。
「野党のドタバタ劇が、勝手にモリカケを隠してくれたので助かりました。これ幸いとばかり、自民党は、挑発に乗ってすぐキレる安倍首相には小池批判を一切しないように禁止し、選挙応援で目立たせないようにした。後は敵失につぐ敵失で、投票日は安心していられました」
老獪といえば、“変人宰相”小泉純一郎氏(75才)の立ち回りも見事だった。希望の党結党日に小池氏と電撃会談を行い、持論の「脱原発」を諭して決戦ムードを盛り上げるだけ盛り上げてから、「選挙運動は一切しない」と撤退。
「その後は、小池さんがいくら秋波を送っても小泉さんは知らんぷり。けしかけるだけけしかけて、ハシゴを外した格好です。一方で息子の進次郎氏(36才)は小池批判の急先鋒として大活躍した。小泉家としては安倍さんに大きな貸しを作ったことになり、安倍さんも“いいタイミングで進次郎氏に借りを返さなければ”と思っているでしょうね」(政治ジャーナリスト)
立憲民主党の党首である枝野幸男議員(53才)も、小池氏を“踏み台”に大きくジャンプした。そもそもは小池氏に「排除」された人たちが集って結成した新党だったが、左派の受け皿になりつつ、「いじめられている枝野さんがかわいそう」という日本人の判官びいきも相まって、いつしか人気が大爆発。選挙演説は黒山の人だかりで「エダノン」コールが巻き起こり、あれよあれよという間に希望の党を抜き去って、野党第一党になった。