「栄誉の第一報」を巡る、報道各社の熱い争奪戦が始まった。10月20日、朝日新聞は1面トップで「天皇陛下退位 2019年3月末」と報じ、それまで2018年末ともいわれていた「平成最後の日」をスクープした。
「政治部の現場記者が抜いたという話だが、記事は無署名。“今後の取材”がやりにくくならないように、署名を外したらしい」(大手紙政治部デスク)
次なる“取材対象”はいよいよ「新元号」に移った。
「新元号は宮内庁ではなく内閣が決めています。そのため第一報は政治部に入りやすい」(皇室ジャーナリストの神田秀一氏)
実際、「大正」をスクープしたのは朝日新聞政治部の緒方竹虎(後の同社主筆)だった。ただし、天皇崩御後の改元だった前回までとは違い、退位の日程が定まる今回は、前もって新元号の選定作業が進められる。
「候補が定まった時点で当然、皇族の方々にも知らせることになる。宮内庁を担当する社会部記者が皇室関係者や同庁幹部筋から情報を取れる可能性もある」(皇室ジャーナリスト)
それゆえ、各社の動きも活発だ。
「新元号選定を担当する内閣内政審議室の幹部への夜討ち、過去に元号選定に携わった学者への取材もすでに進めている」(宮内庁担当記者)