放送作家でコラムニストの山田美保子氏が独自の視点で最新芸能ニュースを深掘りする連載「芸能耳年増」。今回は、サンジャポでの神対応が絶賛される爆笑問題・田中の実力を検証。
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10月29日、『サンデージャポン』(TBS系)の本番中のこと。体調不良で呂律がまわらなくなった吉田明世アナを咄嗟の判断で椅子に座らせ、優しい声をかけたうえ、突然発射されたVTR終了後、介抱した女医の西川史子の様子も含めて説明した爆笑問題・田中裕二にネット民や視聴者が称賛の声をあげたことは皆さん、御存知のとおり。
その3日後、『爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ)にて、相方の太田光から「V発射した後、(田中は)一切、吉田のこと見てないから」「吉田は自分で立ってハケてる。結局、苦しい時間を増しただけ」などとツッコまれた田中は特に否定をしなかった。
いずれにせよ、田中の咄嗟の判断により、生放送がつつがなく終了したことにはテレビやラジオの制作陣から「田中くんには安心して番組を任せられる」と大評判だ。
なかでも改めて評価されているのが田中のアナウンス力だ。吉田アナが退席した後、本来なら吉田アナが読む原稿の全てを読んだのが田中裕二。本来、田中の役割は、コメンテーターへの振りや、常に暴走気味な太田のボケへの丁寧なツッコミなどであり、VTRの振りやフォローなどは吉田アナがやっている。
つまり、田中は吉田アナが読むハズの原稿の内容はわかっていただろうが、読みの練習は一度もせずに、番組最後まで代役を担ったのである。そんな田中の完璧で落ち着いたアナウンス力が評価されているというワケだ。
実は田中は大学時代、アナウンサーを目指していたことがあり、筆者はその様子を間近で見ていた時期がある。